12部分:第十二章
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え僕は部屋に帰った。そして時間が過ぎるのを待った。
真夜中になった。こっそりと部屋を出る。
もう皆寝静まったようだ。家の中は静まり返っている。
「よし」
僕は城の中を見回ることにした。ここに来て三日経つ。ある程度は覚えている。
部屋の一つ一つに耳をそばだててみる。執事達の部屋からは物音はしない。寝ているようだ。
主人の部屋に行く。やはり寝ているようだ。
「覗いてみるか」
ふとそう思った。だがそれは危険だと思った。今は止めることにした。とりあえず妙な物音もしないので怪しいことはないのだろうと思った。
「後は」
奥方の間だがやはり女性の部屋を覗くのは悪い。耳をそばだてるだけにした。
「おや」
物音が一切しない。静かなのではなかった。寝息一つ聞こえないのだ。そして気配も無いのだ。
「おられないのか」
そんな筈はないのだがそんな気がした。僕はそれを不気味に感じた。
「おかしいな」
再び覗いてみようと思ったが止めた。やはりそれは良くない。
部屋を後にした。そして自分の部屋に戻った。
「おかしいな、気配が全然感じられなかったぞ」
それに寝息すら聞こえなかった。いくら何でも不自然だと思った。
単に壁や扉が厚いのか奥方の寝息の音が小さいのか。しかし気配までしないとはあり得ない。
「一体どういうことだ」
僕は暫く考えた。だが結論は出ない。
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