第三十一話 菊池中尉!金魚すくいはスポーツだ!!その十四
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「さあ、負けろ!」
「後のことは心配するな!」
「金魚にまで嫌われたんだからな!」
「もう何も思い残すことはないだろ!」
「この作品も今回で終わりになれ!」
「登場人物がそんなこと言うんじゃねえ!」
「何てこと言いやがる!」
二人はその彼等に怒って返した、その間も金魚すくいを続けている。
「打ち切りになってたまるか!」
「俺達も主役のままだ!」
「今回も勝つ!」
「俺達は金魚すくいに負けたことはねえんだ!」
「じゃあ今回も全世界の人達に血の涙を流させてやるぜ」
「俺達の勝利に対するな」
正義が敗れたことに対する世界の人達の悔し涙を、というのだ。ただし二人にしてみれば二人こそが正義である。
「さあ、やってやるか」
「俺達の力、見せてやるぜ」
「それじゃあな」
「今からやってやるぜ」
こう話してだ、そしてだった。
二人はだ、水槽の前に座ったまま柱の男の様に身構えた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
背景の音まで出た、そして。
「見ろ、俺達のモード!」
「俺達のモードは正義!」
「金魚共聞け!」
「御前達は今から蛙になった!」
こう金魚達に目から怪光線を水槽に向けて放ちつつ言う。勿論この怪光線で金魚達を洗脳しているのだ。
「蛙は碗の中に入れ!」
「今からな!」
「そしてだ!」
「そのまま碗の中に入れ!」
こうは言う、しかし。
金魚達は聞かない、また魚文字で死ねと書いてきてだ。さらに。
『そんなもの効くか』
『何番せんじだと思ってるんだ』
『ワンパターンなんだよ』
『催眠術は無効化されてるんだよ』
こう二人に言って来た、魚文字で。しかし。
二人はそれならばとだ、今度は。
二人共何処からか痺れ薬が入った瓶を出して来た。その瓶には海賊の旗の様な髑髏ろクロスさせた日本の骨がある。
その痺れ薬をだ、水槽の中に流して。
金魚達を痺れさせぷかぷかと浮かんできたところでだ。
「今だ!」
「この勝負もらったぜ!」
「動かない金魚なんてただの的だ!」
「すくうなんて何でもないぜ!」
こう言ってだ、光速で金魚達をすくってだった。
瞬、菊池よりも速く水槽を空にしてだ、誇らしげに言った。
「よし、勝った!」
「俺達の勝ちだな!」
「ルールには水槽に痺れ薬流すななんて書いてねえからな!」
「普通そんなことする奴いねえからな!」
言うまでもなくしてはいけないことだからだ。
「しかしそれが盲点だったな!」
「俺達はそんなこともするんだよ!」
「ガキの頃店でもやったぜ!」
「そして店の親父が激怒したぜ!」
これまた言うまでもないことだ。
「だが俺達はやった」
「正義のモード痺れ薬」
「相手を痺れ薬で動けなくしてその間に技を繰り出す」
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