第六十話
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どうにか最先端の迷宮区付近まで進出してきた俺とシリカ、クライン達。
今日はクラインとは離れてシリカと二人でモンスターを狩っている。
彼らと居るのは心地よいのだが、経験値配分がおいしくないし、何回か戦闘をこなせばあらかたパターンは絞れるから二人でも狩れる。
寄生しっぱなしはアレなので、彼らと同行するときの回復は一手に引き受けているので、実際は結構な出費である。
まあ、半分はクライン達に出して貰っている上に熟練度も上がるから文句はないのだけど。
クライン達は迷宮区でレベル上げをするべく中に入っていってしまったため、迷宮区の入り口付近でMob狩りをする。
え?迷宮区に何で行かないのか?
どうやらこの第一層の迷宮区はオーソドックスと言うか、ボックス型のエリアが連結され、狭い回廊なんかがあるダンジョンである。
そんな所にまだMMOゲームとしても経験の浅いシリカを連れて二人で潜るのは少々辛い。
もう少しレベル的にマージンを稼いでからだろう。
囲まれたら背面の壁に挟まれて逃げられず、回廊で挟まれて抜け出せずHPを削られ…
俺一人なら逃げる事も出来るかもしれないが、シリカと二人でそんな危険は冒しませんよ!
まあクラインも未踏破エリアには行かないって言ってたから大丈夫だろう。
狩りを続けると、どうやら今日の狩りは終わったのか4人組のPTが迷宮区から出てくる所だった。
その一団を何の気なしに眺めていると、なにか記憶に引っかかるものが。
うん?一人足りない?
「あれ?あのパーティー…朝は5人組…でしたよね?」
シリカがそう、最悪の展開を想像して声を震わせて言った。
もしかして迷宮区でHPを全損させたのかもしれない、そんな考えが頭をよぎった時、一団の中で気の弱そうなダガー使いの男性の話し声が聞こえてきた。
「な、なあっ!やっぱ戻ったほうが良くないか?いくら意見が合わなかったからと言ってあんな所で別れるべきじゃ無かったと思う…」
「じゃあオメェだけで戻れよ!オリャぜってい嫌だね」
恰幅の良い大剣使いがそう言い返す。
「そ、それは…でも彼女隠蔽のスキルは無いって…」
ダガー使いは次第に声を小さくして反論できなくなってしまった。
と、そこで聴覚の範囲を超えたため声も聞こえなくなってしまう。
迷宮区の中に取り残されるとか、死亡フラグだろっ!それっ!
…ちっ嫌な事を聞いてしまった。
…だけど俺には関係ないよ。
俺は人を殺した事もあるし、他人の死なんて割りとどうでも良いと考えるドライな人間だと思うし、全てを救える正義の味方では無い。
…無い…けど…
「今の話…もしかして中に置いて来たって事ですか!」
シリカが驚
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