第六十話
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愕に目を見開く。
「どうしましょう…助けに行かないと。一人は危険ですよね?」
そりゃそうだ。
ソロなんて基本いつでも死が隣にある。
面倒だから、関係ないからと、シリカが居なかったら多分見捨てているんだけど…
「あーーーーーっくそっ!」
知らなければ悩む事も無いのにっ!
「シリカっ!かなり危険かもしれないけれど、助けに行く?」
「っはい!」
即答でした。
俺はイライラしながら迷宮区の潜っているクラインにメールを打つと迷宮内を駆ける。
アクティブモンスターだけ何とかいなしながら索敵スキルを頼りに駆けた。
迷宮区を駆け回ると索敵マップの片隅にプレイヤーキャラを現す光点と、それを囲むように点灯するMobの光点を発見した。
コレかっ!
俺は最短距離で駆けつける。
視界の先に5匹のコボルトに囲まれた少女を発見する。
その手に持った細剣を懸命に振り回し、コボルトへと攻撃している。
しかし、焦ったのか彼女はソードスキルを放ってしまった。
その攻撃で目の前の一匹を屠り、二匹目に大ダメージを与えたが、そこでスキルの発動が終わり硬直する。
囲まれたときのソードスキルは自殺行為だ。
「あ、危ない」
シリカが叫ぶ。
硬直している彼女にコボルトの攻撃が迫る。
一撃、二撃、三撃…
このゲーム、PTを組まないと相手のHPバーは見れないけれど、彼女の顔が蒼白に染まっていくのを見るともしかしたらレッド直前までダメージを受けているのかもしれない。
現実世界なら一足で縮められる距離が今この世界ではとても長い。
それでもAGIの許す限り懸命に走り…
御神流『射抜』
四撃目を入れる直前でどうにか俺は彼女の横合いからコボルトに一撃を入れることに成功する。
御神流で一番最長の射程を誇る突き技だ。
突き出した右手を返す勢いで左手の海賊刀を突き刺す。
するとコボルトのHPを全損させてポリゴンが爆散するが、それを確認するよりも速く俺は体を回転させて残りの3匹へと攻撃を繰り出す。
虎乱からの凪旋で残りの3匹を瞬殺する。
何とかその3匹も倒しつくし索敵範囲内に敵が居ない事を確認すると少女のほうへと振り返る。
外の世界の美醜が再現されているこの世界においてここまで整った顔立ちの少女はそれはもともと美人であるのだろう。
取り合えずアイテムストレージからポーションを取り出して目の前の少女に使用する。
「あ、ありがとうござ…あいたっ!」
少女の言葉をさえぎったのは俺の拳骨だった。
「ヒール」
ポーションを再度取り出し頭に押し当ててキーワードを唱える。
たちまちHPが回復した。
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