第三章
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「サラダか」
「いきなりですね」
「ああ、まさかな」
「こんなのが出て来るなんて」
「新鮮とは言えないが」
「野菜ですね」
「ああ、凄いのが出たな」
砂漠地帯で野菜を食べられる、二人はこのことに驚いていた。保存の効く種類のものや缶詰に入れたものばかりだったにしても。
二人は驚きながらサラダを食べた、そして。
次はパスタだった、大蒜とトマトが効いたマカロニだった。
そのマカロニを見てだ、テューダーは目を剥いた。
「あの大尉」
「パスタはな」
「水使いますよね」
「大量にな」
「そのパスタが砂漠で、ですよ」
「食えるなんてな」
「しかもトマトまで」
テューダーはスプーンでそのマカロニを食べながら言った。
「これも信じられないですね」
「美味いな、しかも」
「そうですね」
「うちの食事と全く違う」
それこそというのです。
「我がイギリス空軍とはな」
「陸軍も同じですけれどね」
「ビスケットとオートミールだ」
「それと紅茶、スパムと缶詰ですね」
「適当にそんなのだ」
「それとえらい違いですね」
「ああ、何なんだ」
オーストンは首を傾げさせつつ言うのだった。
「これは」
「何でしょうか」
「まさかな」
ここでだ、オーストンは疑念を抱いた。そして。
そのパスタだけでなくだ、鰯をオリーブオイルと香辛料をふんだんに使って煮たものの後は羊肉のステーキまで出て。
赤ワインがボトルでついていた、そのワインも実に美味く。主食のパンも見事な味だった。
デザートはチョコレートのトルテとだ、オーストンの望み通りだった。
紅茶、それもイギリスのミルクティーが出た。そのミルクティーまで飲んでだ。オーストンはテューダーに言った。
「イギリスのものよりもな」
「はい、この紅茶も」
「美味な」
「紅茶まで、ですね」
「イタリアさんこんな美味い紅茶を飲んでるのか」
「紅茶まで負けるとは」
「うちの食事は本当に酷いんだな」
オーストンはテューダーと共にこのことを実感した、そして。
その実感と共にだ、こうも言ったのだった。
「ここまで凄い食事だとな」
「豪勢でしたね」
「何だと思う」
「やっぱりこれは」
「カンタレラの味はわかったか?」
オーストンはここでもジョークを出した。
「その味は」
「大尉カンタレラの味はご存知ですか?」
「味わっていたら天国に行ってるな」
「地獄じゃなくて」
「これでも善行は積んでるつもりだからな」
それで天国だというのだ。
「地獄じゃないだろ」
「そうですか」
「まあとにかくな」
「はい、凄いご馳走でしたね」
「あれだ、死刑囚の最後の食事は豪勢だ」
この世の別れのせめてもの情けという訳だ。
「そういうことだか
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