第7章 第5次イゼルローン攻略戦へ 前篇
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ソファーに座って議論しており、他には一人の青年士官が紅茶をすすってリベラル系列の新聞を読んでいたのが見えた。
受付の女性兵士は
「あの方ですわ。大尉を呼んでいらっしゃったのは」
私はそのまま、彼の方向へ足を進めた。
新聞の合間から見えた顔にはどこかで、見覚えのあった顔であった。
思い出すのに数秒かかってしまったが、思い出した。
私が第3部作戦課に行ったときに紅茶をすすって裏紙に作戦案を書いていた作戦参謀:ヤン・ウェンリー少佐であった。
私は、少佐の目の前に立って、敬礼した
「ヤン少佐!
長らくお待たせしました!」
すると少佐は
「ああ、そんな固くならなくていいよ。
まあ、座って。」
と言って私を目の前のソファーに座らせた。
すると、少佐は裏紙の束を私の目の前に置いた。
それは裏紙の束ではなかった。
作戦案が綿密かつ精巧に書かれた紙の束であったのだ。
少佐は
「こんなところで話すのもなんだけど、大尉の言っていたイゼルローン要塞に突入するときの対空銃座を避けるにはこうしたらいいんじゃないかな?…」
といった具合にいきなり話を始めた。
これが、私とヤン・ウェンリー元帥、いや、当時はヤン少佐との唐突な出会いであった。
今考えれば、ヤン元帥は自ら作戦案を一介の大尉にわざわざ持ってくるようなめんどくさいことをやるような人ではなかったがなぜこのようなことをしたのかはわからないが、このことは今日に至るまでの私の人生に大きく影響するものだった。
宇宙歴792年4月11日 ハイネセンは春の温かい陽気の中にいた。
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