第三章
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「秋田に福岡、高知もあるな」
「何か混ざってるな」
「それも雑多にか」
「ああ、もうある米を適当に混ぜてな」
そしてというのだ。
「炊いた、何か火も悪かったみたいだな」
「そういえば炊き具合もな」
「何か悪いな、前に比べて」
「戦争していた時の方がな」
「まだいいな」
「これが今の飯か」
苦い顔になってだ、勇悟はこうも言った。
「炊くのに使う薪まで悪くなってるな」
「それで米は、か」
「古いのをもう雑多に混ぜてか」
「そうした飯か」
「今の飯は」
「これはまずいな」
その飯の味だけでなかった、彼がここで言うまずいものとは。
「もう何でもかんでも混ぜて悪い薪で食うなんてな」
「戦争に負けてか」
「日本はさらに酷くなったか」
「ああ、なった」
間違いなく、というのだ。
「これから大変だな、こんな飯食う状況だと」
「麦も前よりも多いしな」
「しかもこの麦もまずいぜ」
「食えるだけましっていう様な」
「そんな状況だな、麦まで」
「こんなまずい飯じゃ本当に駄目だ」
まただ、勇悟はこう言った。
「まあ食えない様になったら終わりだけれどな」
「もうそうなったらな」
「話にもならないな」
「こんなまずい飯でも食えるだけまし」
「そうなるんだな」
「ああ、そうだよ。確かにかなりまずい飯だが」
勇悟は実際にだ、仲間達に話した。
「こんなのでも食えるだけましだよ、けれどな」
「食えない様にはならない」
「そうしないといけないか、これから」
「戦争に負けてもな」
「そうしていかないと駄目か」
「また美味い飯食ってな」
勇悟はそのまずい、古く色々な場所の米が混ざり質の悪い麦が多く混ざっているその飯を食いつつこうも言った。
「連合国の連中にやり返す」
「その意気でいくか」
「そして頑張るしかないか」
「ああ、まずは美味い飯を食うことだ」
それが第一だというのだ。
「それしかない」
「よし、じゃあな」
「ここは頑張るか」
「前みたいに普通の飯食ってな」
「力を取り戻すか」
仲間達も勇悟の言葉に頷く、よりましな飯を食える様に前の様に美味い飯を食える様になろうと言ってだった。
そしてだ、軍が解散となりそれぞれの場所に戻った。勇悟は実家の茨城にある米問屋に戻り家業にあたったがその米を食ってだった。
苦りきった顔でだ、店の使用人達に言った。
「よくこんなもの売れるな」
「ええ、これまでは」
「こんなのとても売れなかったですよ」
店の者達も彼にこう答えた。
「昔だったら」
「戦争中でもちょっと」
「古米なんてものじゃなくて」
「もうとてもこれまでは売れなかった様な米でもです」
「売るしかないんですよ」
「今は」
「食うことが第一で」
「そ
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