第四章
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司には縁のないものだ。
「だからね」
「靴もですね」
「そう、気をつけないとね」
「駄目ですね」
「そうだよ、悪い靴は履かないことだ」
こう親身に言うのだった。
「やっぱり健康第一だからね」
「仕事も」
「足もしっかりとしないと」
部下である彼に優しく言う、そしてだった。
二人で外にも出た、真司にとっては蹄の音一つ一つが周りに気付かれるのではとまさに針の筵に座る思いの外出だった。
五時になり会社の皆が去っても会社に残って人がいなくなってからだ、帰宅のラッシュ時が終わった電車に乗って。
ひっそりと家に帰ってだ、百合に言った。
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