第四章
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」
「この日本号とは」
「御主が貰い受けたのじゃ、それならばじゃ」
「それがしがこの槍を持っていていいのですか」
実は主に献上するつもりだった、だから彼も驚いているのだ。
「まことに」
「よい、そなたが持っておれ」
「有り難きお言葉、それでは」
「さて、今日は宴を開こうぞ」
黒田は上機嫌のまま周りの者達に言った。
「太兵衛を讃えてな」
「ではまた、ですな」
「そうじゃ、酒じゃ」
宴とくれば酒だ、黒田は後藤の問いに笑って答えた。
「太兵衛もたらふく飲むのじゃ」
「ではお言葉に甘えまして」
母里も笑顔で応える、こうしてだった。
彼はこの夜も酒を飲むことになったがこの時もまさにフカの如く飲んだ。福島の屋敷で飲んだ時と同じく。
日本号はこの時から母里家の家宝となり今に伝わる。この家の宝となったのはこうした経緯があった。酒が天下無双の槍をもたらした、思えば面白い話である。
日本号 完
2015・5・22
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