ウェンディvs.シェリア
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結界により身動きの取れないシェリア。ウェンディはそんな彼女に手から台風のごとき風を放ち、シェリアを飲み込む。
バタンッ
宙を舞い、地面に倒れ込むシェリア。
「なっ・・・」
「シェリア!!」
動けなくなったシェリアを見て目を見張るレオンと叫ぶリオン。
「よっしゃー!!」
「やったー!!」
「わーい!!」
そんなレオンたちとは正反対に妖精の尻尾Aチームのナツはまるで自分のことのようにガッツポーズし、ルーシィとシリルは手を取りあって小躍りしている。
「ハァハァハァ・・・(ミルキーウェイはまだ修得できてないし、これが今の私の全力。全魔力!!)」
大技を繰り出したために疲労が伺えるウェンディ。このウェンディが使った魔法は以前、ポーリュシカがウェンディの母、天竜グランディーネの声を元に作った魔法書の中にあった滅竜奥義である。彼女はこの数日の間にその魔法を見事、会得することに成功していたのだ。
「こ・・・これは・・・」
ウェンディの大技の前に自分の仕事も忘れ、立ち尽くすマトー君。
シェリアが倒れたことで叫んでいたリオンたったが、それと同時に7年前、初めてあった時には何もないところで転び、オロオロと自信がなさそうにしていた少女の成長に思わず頬を緩ませる。
(よくやった・・・ウェンディ)
ポーリュシカもリオンと同様に、成長したウェンディの姿に笑みを浮かばせていた。それはまるで我が娘を見るような、優しい表情で。
(やりすぎちゃったかな?)
両手を膝につき、ピクリとも動かないシェリアを見て心配するウェンディ。
(でもこれで・・・)
シェリアの状態を確かめるためにマトー君が駆け寄っていく。
「シェリアダウーンッ!!勝者!!妖精の尻尾A!!」
対戦相手のシェリアが戦闘不能になったと判断し、マトー君がウェンディの勝利を宣言しようとし、ウェンディが笑顔を浮かべたその時だった。
「あぁっ!!ゴメンね!!ちょっと待って!!まだまだこれからだから!!」
「!?」
倒れたはずのシェリアが立ち上がりマトー君にそう言う。そして彼女に起きていることを見て、ウェンディは大きな瞳をさらに大きく開かせる。
「ふぅー。やっぱすごいね!!ウェンディ!!」
立ち上がり笑顔でウェンディを褒めるシェリア。その体についたはずの傷がみるみるうちに消えていく。
「え?」
「こ・・・これは失礼しました!!試合続行ですカボ!!」
マトー君はウェンディの勝利を宣言しようとしたことを謝罪し、2人の戦いの続きの邪魔をしないために距離を取る。
「なんだ?あいつ・・・」
「見て。傷が消えてる」
「一体何が起きているでしょうか?」
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