第二章
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「お茶飲みましょう」
「紅茶かな」
「ええ、それ飲みましょう」
「だったらこの植物園いいお店があるよ」
「喫茶店?」
「そう、それがあるから」
こう私を誘ってくれた。
「そこに行こう」
「どんなお茶が出るの?」
「ハーブティーだよ」
「何か植物園らしいね」
「そうだね、言われてみれば」
「じゃあこれから」
「うん、飲みに行こう」
そのハーブティーをというのだ。
「そうしよう」
「それじゃあ」
こう二人で話して私達はその喫茶店に向かった。喫茶店は温室の一つの中にあった。そこに入った上でだ。
私達はそれぞれハーブティーを注文した、それから。
そのお茶を一口飲んでから私は彼にこう言った。
「このお茶本当に」
「美味しいね」
「ええ、凄くね」
「気に入ってくれたんだ」
彼は私の言葉を聞いてにこりと笑った。
「それは何よりだよ」
「何か今日の私変だけれど」
「寂しいことばかり考えて」
「ええ、そうだけれど」
「少し気が晴れたかな」
「そうなったわ、それにね」
私は二人で座っているテーブルの上にあるメニューを見てこうも言った。
「このお店って他にもお茶あるのね」
「うん、植物園のお花を使ったね」
「それでよね」
「ハーブティー以外にも一杯あるよ」
「ローズティーもあるのね」
私が興味を持ったお茶はそれだった。
「じゃあハーブティーの次は」
「ローズティーだね」
「それ飲んでいいかしら」
「うん、いいよ」
彼は私ににこりとした笑顔で答えてくれた。
「それじゃあ二杯目はね」
「それにするわ」
「僕もそれにするよ」
彼もとだ、ここで言った。
「ローズティーにね」
「じゃあ二人でね」
「次はローズティー飲もうね」
こう話して実際に二杯目はローズティーを注文した、そして。
私はローズティーも飲んだ、このお茶も美味しかった。それで私はその美味しさに満足しながら通りがかったお店の人に言った。
「このお店のお茶とても美味しいですね」
「有り難うございます」
お店の人は私の言葉にまずはお礼を返してくれた。
「そう言ってくれると何よりです」
「植物園の植物を使ってるんですよね」
「はい」
彼と同じことを私に言ってくれた。
「そうです」
「そうですよね、けれど」
そのことを聞いてからだ、私はふと言った。
「お花は枯れますね」
「そうですね、ただ」
「ただ?」
「お花は枯れてもまた咲きます」
「また、ですか」
「はい、その花の草木が枯れても」
それ自体がそうなっても、というのだ。
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