第1章:修正の始まり
第3話「増える住人」
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こっちに引き寄せ、束を引きはがす。
「あ....。」
「ん?すまん、どこか痛くしてしまったか?」
ふとユーリちゃんが声を上げたので、引き寄せた際に何かやってしまったか心配する。
「い、いえ...な、なんでもありません...!」
「.....?」
「む!...はは〜ん...。」
ユーリちゃんの様子に束が何かに気付く。
「どうした?」
「ベっつに〜?さー君ならありえてもおかしくないし〜。」
「は...?」
意味わからん。とにかく、ユーリちゃんに何かあった訳じゃないからいいか。
「束様ー、御夕飯の支度...が...。」
「あ、くーちゃん!」
クロエが奥から出てくる。っと、もうそんな時間だったか。
「あの、彼女は...?」
「えっとね、今日からここに住むゆーちゃんだよ!」
ゆーちゃんって...またあだ名かよ。親しくなった証拠だけども。
「...っと、ユーリちゃん、これ持ってくれ。」
「えっ?これは...?」
「俺と束で開発した翻訳機。それを使えば機械音声とは言え完全に翻訳してくれるぞ。」
今のユーリちゃんはドイツ語しか喋っていない。俺と束はドイツ語も喋れるようについこの前に習得したけど、クロエも秋十君も短期間で英語以外を覚えるのは困難だ。...クロエの場合はドイツの研究所から生まれたからか習得が幾分か早いが。
そこで発明したのがこの翻訳機だ。これならユーリちゃんも会話できるだろう。
「えっと、ユーリ・エーベルヴァインです。」
「あ、クロエ・クロニクルと言います。」
束と違って大人しい二人の会話。...見てるだけでほっこりするんだけど。
「そうだ、クロエとも挨拶したのなら、秋十君とも会っておかないとな。」
「アキト...?」
「もう一人、ここに住んでる奴がいるんだ。というか、元々彼を保護するためにここに来たとも言えるな。」
と言う訳で早速秋十君の所へゴー。
「ふっ...!ふっ...!」
秋十君の所に行くと、秋十君は木刀で素振りをしていた。
「おーい、秋十くーん!」
「あっ、桜さん。...あれ?彼女は...?」
素振りを中断し、俺の隣にいるユーリちゃんに気付く。
「今日からここに住むことになるユーリ・エーベルヴァインだ。ドイツの子でまだ日本語は喋れないからしばらくは翻訳機を使ってくれ。」
「よ、よろしくお願いします。」
よし、これで全員との挨拶は終わったな。後はユーリちゃん自身が馴染むのを待つだけだな。
「さー君、こことこことここ。お願いね。」
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