011話
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っというよりも寧ろ"名無し"なのかもしれない。ある意味での皮肉、何か過去にあったのかは知らないが詮索するのはやめておくとしよう。偽名だと解っても彼は善人であり信用できる。それに
「なんやジーク、自分の顔になんかついとるんか?」
「否特には、肉料理のソースがついてるぐらいだ」
「ついとるやないか!?もっと早く教えてぇな!!」
大慌てで付いているソースを拭き取るナナシ、それを見て笑いが出る一同。
「ったくもう……ほなお返しにジーク、お前さんなんか話題提供せいや」
「何だそれは」
「ようは自分の事に着いてなんか話せっちゅうことや。なんか思い出したことないんか?」
「………」
記憶、そう言えばドロシーに初めて会った時に使ったのが記憶がないという物だった。実の所自分の記憶は何一つ欠けていない、生前の物から今に至るまで全て覚えている。さて、何処まで話していいものか………。
「そうだな……思い出した事は、あるな」
「本当に!?ジーくん何か思い出したの!?」
「ああ……だが俺が何者かの本質が解る記憶じゃないけどな」
「かまへんかまへん!話してぇや!」
期待するような視線を向けてくるナナシ、それに続くように視線を向けてくるスノウ、エド、ドロシー、アルヴィスとベル。肩を竦め口を開くジーク
「思い出したのは、たった一つ。俺が、竜と戦っていた事だけだ」
「竜……?」
「竜って御伽噺に出てくる竜?」
肯定するジーク。
「エド、竜って確か大昔に居たんだよね?」
「はい姫様。その昔、このメルヘヴンにも竜がいたという記述が残っております。しかし謎の騎士に倒された、それがこのメルヘヴンに残る伝説の一つである"竜殺しの騎士"でございます」
異世界でも似たような伝説が残っている事に思わず笑ってしまうジーク、そこだけはある意味世界共通なのかもしれない。
「っと言う事はもしかしてジーくんってその、伝説の竜殺しの騎士の末裔とかじゃないの?ほら聞いた事ない?先祖の記憶を持った人間がいるって話」」
「先祖帰りに良く似た現象であるあれか」
「ふぅむ十二分に有り得ますな」
なんだが話が勝手に進んでいく為かジークは若干心の中で汗をかくのであった。このままでいいのだろかと、まあ嘘は言って無いわけである意味いい方向に進んでいるのだが。
「それにホラジーくんが私とこの竜のARMを手に入れる時もかなりウロロン怯えてたじゃない?きっとそうなのよ!」
「ウロロン……ああウロボロスでいいのかなドロシー?」
「そうそれ!」
そんなこんなで夜は更けていき、ウォーゲーム二日目が始まろうとしていた。
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