第3章 リーザス陥落
第54話 レッドの町を解放せよ
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、ユーリの事、抱かせてくれよ?」
ミリはそう言って笑みを見せた。ユーリはそれを見ると同じく軽く笑う。
「……はは、流石はミリだな。じゃあ、オレも約束をさせてもらおうか」
「ん? 約束?」
「ああ、約束をだ。……ミリ、絶対に無理はするな。それが 守れたなら。この件が終わった後、オレが ミリを何とかしてやる。その 残された時間内で必ず……な」
ユーリは力強くそう言っていた。
誰に言われても気休めだとミリはこれまで思っていたんだ。だけど……
「『何とかしてやる』 か。ははは。なんでだろうな? 医者じゃないのに。お前さんなら、本当に何でもやっちまう気がするよ」
「ああ。絶対にしてやるさ。……だから、絶対に無理をするんじゃないぞ? 死ぬのは絶対に許さんからな」
「OKOK。成立だ。だから、オレの方の約束も忘れるなよ?」
「ん?」
「ほれ、オレが治ったら、ユーリを抱かせてくれって事だよ」
それを聞いたユーリは、ガクッと腰から崩れ落ちそうになるのを堪えた。
どうやら、さっき言ったのは冗談と言った類じゃないようなのだ。それに、その言葉……普通なら逆だろう。女から、ではなく 男から、だと思える。
「へへーん。オレは冗談ってヤツが嫌いなんでね。……それに、まさか、嫌〜なんて言わないよな? ユーリ。はぁ……、オレは 気休めでもいいから、明るい話題を持っておきたいんだけどなぁ……」
ミリは、これまたわざとらしく表情を落としていた。わざとらしい、とは思えても、今の現状を踏まえた上でも、流石に、無理に拒む様な真似などはしたくない。病は気からとも言う。
「はぁ…… だが なんで、オレとなんだ?」
「そりゃ、相手がユーリだからだよ」
「……全然理由になってないって。……判った判った。オレも約束するよ」
「よっしゃあ! 萌えてきたぜ?」
「……その漢字、合ってるのか?」
傍から見たらバカ話だ。だけど、それでも良いと思える。
だが、ミリはこの時ある意味快挙なのである。
「さて、さっさと戻りますか。ヒララ合金をマリアのヤツに持って行ってやらねえとな?」
「ああ。そうだな」
ミリとユーリはそのまま、全員の集合場所であるアイスの町、入口へと向かっていた。
「……オレはな、ユーリ。……最後の瞬間が 例え来たとしても、その最後の瞬間まで、自由に生きたいんだ。……オレがオレである為にも。……いよいよとなったら、ミルと一緒に最後の冒険ってヤツに出るか……。ああ、それを口実に ユーリに迫るのも良いな。オレの本当の最後は、あの男の上で、腹上死ってのもオレらしいかも……な」
ミリは、前を行く男の背中を見ながら、誰にも聞こえない大きさで、そう呟いていた。
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