第3章 リーザス陥落
第54話 レッドの町を解放せよ
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こうして、明日に備えて、皆は休息に入っていった。
〜レッドの町・ヘルマン軍司令部〜
情報戦においては引けを取っていないヘルマン軍。ラジールの町のリーザス解放軍の不穏な動きを察知していたのだ。
「フレッチャー司令、ラジールでのリーザス軍の残党が明日にも攻撃してくると言う情報を得ました」
「ぶーぶー。馬鹿ばかりぶー。兵力の差も計算できないのかぶー?」
笑いながら、顔の贅肉を揺らすフレッチャー。コチラとリーザス残党の兵力の差など誰がどう見ても一目瞭然なのだ。
「どうしましょう? 先手を打ちましょうか?」
「ぶーぶー、泳がせておけばいいぶー。迎え撃って、力の差を思い知らせてあげるんだぶー。皆にはそう伝えておくぶー」
「はっ、了解しました!」
敬礼をし、部屋から出ていくヘルマン兵を見送り、フレッチャーは自身の横に控えている弟子であるボウとリョクに笑いかける。
「ここの戦力、兵力を判ってないのかぶー?」
「そうでしょう。所詮は残党。正確な情報が出回っているのか怪しいものです」
「そんな連中よりも、レッドの町の何処かに潜伏しているであろう残党達の連中の方が驚異かと中でも、あのユランと言う女、そして金髪の男。間違いなく強者かと」
「ぶーぶー。そいつらは、まだ放っておくぶー。……ラジールの連中を仕留めたら、その首を全部晒しておくんだぶー。それを見て、勝目がないと悟れば諦めるぶー。それでも諦めない馬鹿は、直々に相手にしてやっても良いぶー」
「ふふ、それは可哀想ですね。世界最強の格闘家であるフレッチャー様が相手では……」
談笑が続く部屋。そこにいる影は3つではない。背後に控えているのはボク・リョクだけでなく……。
「リーザスの死神はリーザスにとっても死神になるのも面白い結末ぶー」
部屋に控えているのは、虚ろな目をしている騎士。洗脳されている兵であり、リーザスの主力だと言ってもいい存在。
《リック・アディスン》
そして、もう1人、控えていた。
「この小娘も侮っておりましたが、肉体の強さは相当なものですね。伊達に副将軍の地位にはいないと思えるかと」
リョクがそう答えた。
リック・アディスンのとなりに控えているのは……、かなみの親友であり、心から身を案じている存在。
かなみの親友である、《メナド・シセイ》だった。
これから待ち受けているのは、仲間を、親友を殺してしまうと言う残酷な運命か、もしくは、反撃の狼煙か……。
この場で高笑いを続けているフレッチャーは前者しか考えていないようだった。
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