暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第54話 レッドの町を解放せよ
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いえいえ、ユーリさん達も同じでしょう? 結局皆さん、リーザス軍の人たちの計らいでもある休暇を受け取らずに働いたんですから。皆さん目を丸くさせてましたよ?」
「……カスタムの皆はスペックが高いからな。嬉しい誤算だったんだろう」

 ユーリはそう言って苦笑いをした。
 それは、間違いないと思えるからだ。今回の作戦にしても、マリアのチューリップが要であり、ミリとトマト、まぁランスも入れて 皆でその準備を整えた。更に真知子は、新たな情報を仕入れてくれている。ロゼは……、まあ色々と難はあれど、数少ない治癒術士(ヒーラー)として重宝をされている。でも、その裏では、悪魔とウハウハだとか。後者は まるで興味無し。

「それに、私たちはきっと英気は十分養えられたと思うんです」
「……ん? なんでだ?殆ど活動しっぱなしだろう?」

 真知子の言葉に疑問を上げるユーリ。だけど、真知子はニコリと笑う。

「だって、ユーリさんとのあのイベントがあったんですよ? ランさんはお気の毒だと思いますが、他の皆さんは絶対にそうですよ。私もユーリさんを膝枕して……そのお耳を掃除したことは一生の思い出の1つにしてますから」
「……はぁ、オレとしては忘れてくれていいって思ってるんだが……」

 ユーリは表情を強ばらせつつ、ため息をついた。
 あの時は……正直恥ずかしかった思い出しかない。真知子の膝に頭をおいて、両の耳をた〜〜っぷりと掃除させられたのだから。何をするか直前までわかってなかったユーリだから、突然言われて戸惑うばかりだったのだ。

「うふふ、とっても、胸がきゅんっ! としちゃいましたよ? また、お願いしますね」
「はぁ、……そりゃ良かったな。だが断る」
「それは残念です。では、第2回に期待をしましょうか」
「………」

 確かにユーリは恥ずかしそうにしていたが……それくらいで、休息になるのなら、安い?だろう。第2という言葉を聴いて……更にため息をするユーリ。あの段幕にあった第1という言葉を意識していなかったと言えば嘘になるのだから。……彼女たちが多大な貢献をしてくれてるんだから、無下にするのはあんまりだろう。

「明日は期待してますよ? ユーリさん」
「明日に早速するって言うのか……」
「ふふ、違いますよ。レッドの町です。お願いします、救ってください」

 今度は真知子は真剣な表情でそう言う。

 彼女はこの時……何だかある予感がしたのだ。……あの町に彼女(・・)がいるかもしれない、と言う予感が。

「……ああ、任せておけ」

 ユーリは強く頷いた。
 心強い皆が一緒なのだ。そして、想いの強さならば、コチラが上だと思える。洗脳兵の上にあぐらをかいている、連中に負けるはずがない。故に負ける方が難しいんだ。


 
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