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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第54話 レッドの町を解放せよ
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3号には活躍して貰わなければならないな」

 ユーリはそう言っていた。
 倍の差はある兵力だ。それを補ってもらわなければ正直勝つことが難しくなるのだから。

「後、もう1つ情報が入ってます。レッドの町についてです」
「む、他にも何かあるのですか?」

 ハウレーンが少し表情を強ばらしながら聞いた。これ以上はあまり悪い情報は遠慮したいと思うのが心情だろうが、聞いておかなければ万が一の時に身体が動かない可能性があるのだから。
 
「いえ、驚異とは違います。寧ろ吉報です。レッドの町でも抵抗軍(レジスタンス)がいると言う情報です」
「おお!」

 その言葉に、僅かながら歓喜の声を上げる。敵の情報だけではなく、味方とも言える者達の情報が入ったのだから。

抵抗軍(レジスタンス)か……、だが、洗脳はまだ活きているんだろう? リーザス軍じゃなければ一体誰が?」
「こちらは未確認情報ですが、リーザス戦では、敗れてしまったリーザス・コロシアムに登録していた戦士の人達が、各地で少しずつ勢力を増やして、レッドの町に侵入したとの事です」
「リーザスコロシアム……!! ユランか!?」
「それは、嬉しい情報です。彼女が無事であり、手を貸して貰えれば、大きな戦力になります」

 エクスもバレスもそう言う。

《ユラン・ミラージュ》

 彼女はコロシアムの前チャンピオンであり、一度ランスに敗れて王座から陥落したものの、不屈の精神力もあってか、またチャンピオンに上り詰めたとの事だった。その実力は折り紙つきであり、将軍達の間では、リーザス親衛隊隊長レイラに匹敵すると言われているのだ。

「はい。可能性は高いですね。人数が少ないのにも関わらず、殲滅されずにゲリラ戦をまだ仕掛けているとの事ですから」

 少人数精鋭で、少しずつ中から攻めているらしい。
 規模が大きい相手なのに、奮戦するのは恐れ入るというものだ。だが、相手が相手……ユラン1人とは到底思えない。

「……コロシアムの戦士。なら、アイツ(・・・)もいる可能性があるな」

 ユーリの頭に浮かんだのは1人の異国風の剣士の姿。
 その実力は、ユランにも匹敵するどころか、勝ってると言ってもいいだろう程の腕前だ。

 あの戦いの後、更に研鑽を積んでいるとしたら、あの時より更に強くなってるはずだから。

「よし、チューリップをはじめ、光明も見え始めている。我らに追い風が吹いている事は間違いない。……士気を高め、明日の明朝、一気にリーザスを解放する」
「「「はッ!」」」

 バレスのその一声で軍議は終了となった。




「お疲れ様、真知子さん」

 終了後に、ユーリは真知子に声を賭けた。彼女も不眠不休と言っていいくらいに働いている筈だ。


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