暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1103話
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ただし、その視線に宿っているのは敵意とかの視線ではない。
 いや、正確には殺意に達する程の敵意の視線ではないと言うべきか。
 特に男子生徒から向けられる視線には、驚愕と共に妬みの感情が篭もっている。
 ……中には女子生徒からの視線にも妬みが混ざったりしているが……
 だが凛はこの視線に何も感じないのか、特に気にした様子もなく首を傾げる。

「そう? まぁアークエネ……いえ、アーク君が珍しいかしらでしょうね」

 ちなみに、このアーク……正確にはアーク・ロータスという名前は俺の偽名だったりする。
 まぁ、まさかアークエネミーなんて名前で学校に通う訳にもいかないしな。
 アークエネミーだから、アーク。うん、色々と単純だけど、分かりやすいのは事実だ。
 人前だからと猫を被っている凛と共に、周囲の人達から注目を浴びながら学校へと向かって進んでいく。
 凛が色々な意味で有名人なのは、こうしているだけでも理解出来た。
 人の前で被っている猫の数は多そうだけど、凛は元々美人だし、人気があるのも当然だろう。
 そんな風に考えていると、やがて穂群原学園の校舎が見えてくる。
 学校が見えてくれば、当然そこへと向かう生徒の数も増えていき、学校でも有名人らしい凛が浴びる注目も増え……今では、視線の集中砲火といった具合になっていた。
 特に男からの嫉妬に塗れた視線が群がる事、群がる事。
 凛としても、ここまで視線が集まるとさすがに気になるのか、多少居心地を悪そうにしながら校門へと足を踏み入れ……

『っ!?』

 俺と凛の2人は同時に足を止める。
 それは、恐らく少しでも魔術に関わりがある者であれば理解出来ただろう感触。
 校門から学校の敷地内に足を踏み入れた瞬間、激しい違和感が襲ってきた。
 これは……
 チラリと横目で凛の方へと視線を向けると、丁度タイミング良く凛も俺の方へと視線を向けており、お互いにこの異常に気が付いているのを理解する。

『凛、当然気が付いているな?』

 凛との契約で繋がった魔力のパスを使った念話で尋ねると、凛は小さく無言で頷き、こちらもまたテレパシーで返してくる。

『ええ。これは……結界。それも魂喰いの、相当に悪質なものよ』
『当然ながら、これは凛が仕掛けた訳じゃないよな?』
『当然でしょ! 誰がこんな真似を……』

 お互いに目と目で視線を交わしつつ念話で言葉を交わす。
 ……何だか周囲から向けられる視線が更に強くなった気がするが、気のせいだろう。

『となると……聖杯戦争参加者だと思うか?』
『それしか考えられないわね。まさかこの時期にこんな結界を張っているのが、聖杯戦争と無関係だとは思えないし』
『つまり、穂群原学園には凛以外にもマスターがいるって事になるんだが……検討
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