Fate/stay night
1103話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
朝、目が覚めると昨日と同じように居間へと向かう。
ただし、昨日と違うのは俺の着ているのが軍服風の服ではなく、昨日凛に買って貰った服でもなく、穂群原学園の男子用の制服だという事か。
この制服、昨日俺と凛が家に戻って来た時には既に用意されていたものだ。
どうやら、凛が言っていた似非神父とやらが用意した物らしい。
いや、俺は直接会ってないから、その神父が似非かどうかってのは分からないけど。
ともあれ、用意された制服に身を包み、居間へと向かったが……俺以外の姿はない。
時計を見ると、午前6時30分過ぎ。
確かにちょっと早かったか?
そんな風に思っていると、昨日に引き続き凛がユラユラと、まるで幽鬼の如き出で立ちで姿を現す。
正直、この朝の弱さってのはこれからの戦いを思えば色々と不安要素しかないんだけど……
「おい、凛。本当に大丈夫か?」
そう声を掛けた瞬間、凛がボーッと俺の方へと視線を送り……数秒後、何かに気が付いたかのように目を見開き、顔を真っ赤に染めて台所の方へと向かう。
……何だ? さっきまでは昨日と同じく低血圧ゾンビみたいな感じだったのに。
そんな凛の様子を不思議に思いつつも、数分程するとようやくいつもの凛となり、居間に戻ってくる。
「どうしたんだ、急に」
「な、何でもないわよ。それより、あんたは何だってこんな風にここにいるのよ!」
「……いや、そう言われてもな。どうしろと?」
正直、凛が何に怒っているのかが全く分からない。
昨日、寝る前にここで話した時には別にどうということもなかったと思うんだが。
それを、向こうも気が付いたのだろう。小さく溜息を吐いてから、何でもないと首を横に振る。
「ごめん、ちょっと夢見が悪かったのよ」
「……ああ、なるほど」
まぁ、何だかんだと言っても凛はまだ10代の女だ。それなのに聖杯戦争に参加するんだから、ストレスの類があっても当然だろう。
もっとも、それを言うのなら俺もまだ10代の男なのだが、その辺は英霊と魔術師の違いだと思っておいた方がいいか。
「ごめん、すぐに朝食を作るわね」
そう言い、台所の方へと戻って行く凛だったが……結局は昨日の夕食で材料の殆どを使い切っており、食パンと目玉焼き、紅茶だけという侘しい朝食になるのだった。
もっとも、凛は何で昨夜あれだけ食べておきながら、そんなに食べられるのよ! って言っていたけど。
サーヴァントとはいえ、受肉している以上は俺も食えば当然肉が付くと思うんだけど……その辺がどうなっているのかは不明だ。
「……何だか、妙に見られてるな」
凛と共に穂群原学園へと向かっていると、周囲の通学している生徒達が妙に俺の方へと視線を向けてくる。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ