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英雄は誰がために立つ
Life16 追い詰められたゼノヴィア
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君が相手をした敵が君を狙う為に人質として狙われそうになったんだが、心当たりはないかい?」
 「士郎が・・・!?」
 「本当なのか、木場!」
 「うん、確かにあの敵はそのように言っていたよ」
 「・・・・・・・・・・・・・・・」

 祐斗が体験したことに、同じ境遇に遭いそうになっていたゼノヴィアは敢えて名乗り出る事をしなかった。
 それは士郎を信頼している故からだった。
 そして当の士郎は、此方から切り出す気だったので別にかまわなかったが、機先を制されるようで何となく不安感を抱きながら正直に吐露する。

 (やっぱり聞いて来たか・・・)
 「心当たりはありません・・・・・・ですが、実は俺自身が狙われたのは初めてではありません」
 「え・・・!?」
 「ほう・・・・?」

 初耳だったゼノヴィアは軽く驚き、アザゼルはさらなる次の言葉を待つ。

 「――――って事で、何故か祐斗が相対したキャスターと思わしき英霊が俺を狙っているらしいです。殺害では無く身柄を確保しようとしたと言うところも含めて、理由についてもさっぱりです」

 士郎はあの日――――フィリップとケインとの報告などについての話を、全部ではないが話した。
 さらには今回、ゼノヴィアが狙われた事にも話し始めた。
 恐らく今回の件は、俺の身柄を押さえるための人質役の確保を取るための大規模な陽動兼足止めだったのではないかと。

 「――――なるほど」
 「バーサーカーにキャスターにアサシンか・・・・・・」
 「でしたら私が闘った相手は剣士でしたので、セイバーと言った所でしょうね」
 「恐らくは。――――グレイフィアさん直截的に訪ねますが、敵の特徴や言葉に何か覚えはありますか?」

 士郎に質問されたグレイフィアは、昨日の戦闘時を思い出す為に瞑想に浸る様に瞼を閉じてから数秒で瞳を開く。

 「鉢巻にマゲ、袴を羽織った侍。そして我々悪魔を、人間を食い物にすると言い放った明確な敵意。そして、突然3人の従者を出現させる前に『温羅討伐隊』と言った言葉・・・ですかね」
 「・・・・・・・・・」

 グレイフィアの言葉を聞いて思考に没する士郎だったが、これらに連想させる英霊など“あの存在”しか思い至らなかった。
 そしてサーゼクスとアザゼルも、士郎と同じように考えてから導き出された答えが士郎と同一な存在だった。

 「アレ(・・)しかいませんね」
 「・・・だな」
 「ふむ・・・」
 「もう解ったんですか!?って言うか、サーゼクスさんも先生も士郎さんも『温羅討伐隊』って何の事ですか?」

 士郎達がグレイフィアの言葉から思考の海に没してから、答えを導き出すまで3秒も無い事に驚く一誠だが、聞きなれないキーワードの事も聞いて来た。

 「一誠
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