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異世界系暗殺者
●●の時間(2016/05/16 一部修正)
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くれるか?」


烏間先生が俺達の会話にストップを掛けてきた。まぁ、のんびり駄弁ってる暇がないのは確かだしな。他の皆も烏間先生に指摘され、緩み掛けた気持ちを引き締め直す。

そして、極力音を立てず最上階に辿り着いた俺達は、9階にいた見張りから奪って置いたカードキーを使って部屋に侵入。

気配を最大限に消し、俺は暗歩で、他の皆は体育の時間に教わった音を極力抑えるナンバという歩法を使い、黒幕の背後へと移動した。

黒幕の足元を見てみると、案の定A・T――炎の試作型疑似玉璽(プロトタイプ・サブレガリア)を履いていた為、全員で一斉に襲い掛かって拘束できる様、黒幕を扇状に取り囲む。

烏間先生の指示を待ち、ゴーサインが出たことで黒幕を取り押さえ様と動こうとした瞬間、今まで微動だにしなかった黒幕が口を開いた。


「……かゆい」


黒幕の声を聞いた瞬間、その場にいたほぼ全員の動きが止まった。予想通りではあったが、やはり聞き覚えのある声の主が黒幕ということには誰もが動揺してしまうものの様だ。黒幕はそんな皆の動揺を知ってか知らずか、顔をボリボリと掻きながら話を続ける。


「思い出すと火傷と切傷の痕がかゆくなる。けど、そのお蔭かな?いつも傷口が空気に触れているから、感覚が鋭敏にもなってるんだ」


黒幕はそう言い終えると、俺達の目の前であるものをブチ撒けた。それは治療薬の入ったスーツケースを爆破する為の起爆スイッチが付いたリモコンだった。


「念には念を。相手はマッハ20の超スピードで動く怪物なんだ。起爆リモコンも俺が倒れ込んだ拍子に押せる位の予備を用意しておくのが普通だろ?」
「……まぁ、予想通りではあったけど。やっぱりあんたが黒幕か」
「……地に落ちるとは正にこのことだな。鷹岡ァ!!」


烏間先生が黒幕の名を叫ぶと、黒幕――鷹岡は座っている事務用椅子(?)を反転させ、俺達に今の姿を見せた。……正直言おう。俺は鷹岡の姿を見て、「この黒幕が本当に鷹岡か?」と怪しんでしまった。

何故なら、まず髪型が初めて会った時とは異なりボサボサ。顔は火傷と切傷以外に引っ掻き傷で傷だらけ。デブ腹も何故か引っ込んでいて、Uネックから見えている肌にも火傷と切傷の痕が見える。

無限の煉牢獄(インフィニティ・インフェルノ・ジェイル)で刻み焼きした火傷と切傷の痕だろうから、明らかに俺が原因だろう。


「久しぶりだな、お前ら。けど、恩師に会うのに裏口を利用するなんて非常識なこと、父ちゃんは教えた記憶がないぞ」
「奇遇だな。俺らもお前を父親に持った覚えがない。父親を語るなら、まず母親を連れて来てからにしろよ。この素人童貞が」
「……お前は相変わらず口が悪いな。まぁ、いい。今から夏休みの補習をしてやるから俺に付い
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