第二百二十五話 馬揃えその三
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青い南蛮の上着にズボン、それに靴にだ。靴下というものまで着けている。
背中には裏地が赤の青いマントを着け頭には白い羽飾りの着いたこれまた南蛮の帽がある、つばがやけに広い。
その信長の格好を見てだ、平手は言うのだ。
「南蛮人ではあるまいに」
「だから南蛮人の格好じゃ」
「それをそのままされていると」
「そうじゃ」
まさにだ、その通りだというのだ。
「面白いであろう」
「全く、何処までも傾奇かれますな」
「帝にもこうした服をふんだんにお送りした」
「服をですか」
「南蛮の宝玉等もな」
「それはいいことです、しかし」
ここで平手はこうも言った。
「上様、この度の馬揃えは天下にこれまで例がないまでにです」
「大きなものじゃな」
「それをあえてされますか」
「そうじゃ、爺はわしの傍におれ」
織田家筆頭家老としてというのだ。
「よいな」
「畏まりました、それでは」
「さて、この馬揃えを見てどう動くか」
信長はその黒い目をここで光らせた。
「対し方は色々考えておるがどうしてくるかのう」
「先日から話されていることですな」
「そうじゃ、妙に気になるからのう」
平手も信長のこの話は知っていた、伊達に織田家筆頭家老ではなく主の言葉もよく聞いて知っているのだ。
「だからしてみた」
「さすれば。しかし松永めの時は」
「戦にはならなかったな」
「はい大きな戦には」
「奇妙が率いておった主力が都に着くまでに終わった」
都から信貴山に向かわせるつもりだったのだ、その何十万の軍勢を。
「あ奴、今思えば無理して滅んだな」
「天守の中で自ら平蜘蛛を抱いて」
「火薬に火を点けて消し飛んだわ」
「何かあ奴らしい様でらしくもない」
「わしはらしいと思うがな」
松永が思うことだ。
「しかしな」
「あの時はすぐに終わりました」
「それがよいか悪いかはまだわからぬが」
「しかしですな」
「ここはな」
あえてというのだ。
「派手な馬揃えをするぞ」
「それも見事なものを」
「だから御主達にも着飾らせたのじゃ」
こう言ってだ、信長は馬揃えに出る者を皆揃えさせた、青を軸として色とりどりの者達が勢揃いだった、都の者達はそれを見て言うのだった。
「やはりのう」
「右大臣様は違うわ」
「今は無位無冠じゃから前右府様か」
「とにかくやられることが派手じゃ」
「全くじゃ」
「しかもな」
「信玄様も謙信様もおられ」
「武田二十四将、上杉二十五将も勢揃いじゃ」
その者達までというのだ。
「北条家もな」
「氏康様と二十八将もおられる」
「毛利家もじゃ」
「元就様と三人のご子息とな」
「島津家も四兄弟」
「長宗我部家に浅井家、伊達家」
「徳川家もな」
「家康公と十六神将がおる
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