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古城
5部分:第五章
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かべて白いテーブルかけをかけた大きなテーブルに座っていた。
「お早うございます」
「はい、お早うございます」
「昨日はよく眠られましたか」
 まずは朝の挨拶からはじまった。
「如何でしょうか」
「はい」
 昨日のことを隠して主に答える。
「実にいい夜でした」
「そうでした。それは何よりです」
「ええ。ところで」
 スタンフィールド卿とは向かい側の席につく。そのうえで話をはじめるおだった。
「この城のことですが」
「何か」
 向かい合って座った二人のところにまずは紅茶が置かれた。イギリスらしくミルクティーである。それを前にしてまずはそれを飲むのだった。
「貴方は会われたことがありますか」
「その化け物にですか」
「ええ」
 主の言葉に頷く。
「それはどうなのでしょうか」
「私は別に」
 スタンフィールド卿は彼のその言葉には首を横に振った。
「会ったことはないです」
「左様ですか」
「それが何か」
「いえ」
 ここで少年の言葉を思い出した。それでこれ以上はあえて言わなかったのだ。
「それならばいいです」
「左様ですか」
「はい。それにしても」
 オズワルド卿はここでまたふと思った。このことは話してもいいとわかっていたので言うことにした。それは表面上はありきたりの言葉だった。

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