解かれる結び目 15
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」
ずいっと寄せられた小さな体に、肩がビクッと竦む。
途端、赤子の悲鳴が更に大きくなった。
「そのように怯えるでない。赤子のほうが傷付いてしまうではないか」
そんなこと、言われても……。
「ほれ、腕を出せ。頭と体をしっかり支えて……そう。優しく撫でてやれ。翼を曲げてしまわぬようにな」
「……っ」
落とさないように、壊さないように。
そっと抱き抱えた小さな体は。
ほんの少し力を入れたらあっさり潰れてしまいそうなほど、頼りない。
頼りないのに、温かい。
熱いとさえ感じる。
直に触れた肌や翼はふよふよで、柔らかくて。
「……ああ? だぁ! あーっ」
!?
笑った?
私に?
「あーあぁっ きゃうあ!」
「ふふ……、やはり、母が良いか。なんとも愛らしい笑顔よ。……のぅ? 可愛いであろう?」
短い両手を必死で伸ばして……笑って……
「………………はい。可愛い、です」
小さな小さな女の子。
悲しい声と無邪気な笑顔で私の心を揺さぶった、新しい女神。
可愛い。
自分から生まれてきたとは、まだ信じられないけれど。
すごく、可愛い。
泣き声で感じたざわつきとは違う。
頬を寄せて抱きしめたくなる、この感覚は、何?
胸の奥から湧き上がって広がる温もりが、涙を溢れさせる。
私を蝕んでいた恐怖を解かす、温かくて優しくて、穏やかなもの……
ああ、そうだ。
これは、アルフを護りたいと強く思ったあの瞬間に、よく……似てる。
「……アルフ……っ!」
「んんー? ……んきゃああっ」
止まらない涙が、赤子の頬に、体に、パタパタと落ちては弾けて散る。
「ほれ。受け取れ、娘」
「え?」
足に掛かっている布団の上へ、ぽすっと投げ込まれたのは
銀色に鋭く光る、抜き身の短剣。
「……────っ!!」
「神々の祝福を継いでおるらしい赤子を殺すのは容易なことではないぞ? 勇者もそうであったろうが、怪我の程度で多少なり回復速度が変わるでな。せめて苦しみを与えたくないなら、まずは心臓を的確に狙え。次に、素早く頭部を潰す。当然、先ほどよりも激しい悲鳴を上げるがな。両手が血塗れになれば耳を塞ぐのも難しかろう。それくらいは甘んじて聴き届けるのだな。あれだけきっぱり殺すと言い放ったのだ。我が子の断末魔の叫びを正面から受け止めるのも、もちろん覚悟の上であろう?」
ティーの言葉で、全身が凍り付く。
見開いた目から、溜まっていた涙が溢れ落ちた。
殺すと決めた。
決めていた。
だって、そうしないと。
『空間』を司る力が、どんな形でレゾネクトに及ぶか、分からない。
それ
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