闇王
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か!! ぬぅぉおおおおおおおッ!!!!」
重力場が我の手の中で暴れ出そうとするが、片っ端からベクトルを修正していき、中心に集まるように誘導する。正直に申すと、我の必殺技であるジャガーノートよりも制御が大変だが、その分威力も見返りも大きい。何より……、
「せっかく我だけが使える、教主殿の技を継承できるのだ! 絶対に使いこなして見せようぞ!!」
エンチャント・ルナ、ゼロシフト、自爆分身、火炎弾、氷柱……全て教主殿から学んだエナジーを用いる技。これらと暗殺用近接格闘術、CQC、ホドリゲス新陰流を我らは教主殿のおかげで身に付けられた。
戦闘スタイルに適している事でシュテルは火炎弾や自爆分身を、レヴィはゼロシフトと剣術をよく用いる。まぁ、シュテルは暗殺用近接格闘術を好んで使っているが、クロスレンジの弱点を補う意味ではむしろ好都合だろう。そして今、我は教主殿から直々にブラックホールという特別な術を受け継ごうとしている。ならばその期待に応えてこそ、我の威厳を真に示せるというものだ。
全神経を集中させて重力場をコントロールしながらエナジーを加えていき、ブラックホールは徐々に大きくなる。その間、レヴィは欠片へ牽制攻撃しながら、欠片から繰り出されるヴァンパイアソードを弾いたり、ヴァンパイアクローやウィザードショットを回避して時間を稼いでくれている。おかげでブラックホールは無事に完成、欠片のヴァンパイアを吸収し始める!
「今だ、レヴィ! そやつをこの中へ押し込むのだ!!」
「うぃっす! 我慢してた分、倍返しだよ!!」
「返事、軽いですね。それより私も援護します。その欠片は塵も残さず滅却しましょう!」
という訳で、マテリアルズが一斉攻撃。我が生み出したブラックホールに欠片の身体が押し込まれた瞬間、それぞれ最も威力のある魔法……必殺技を放つ!
「奔れ赤星、全てを焼き消す炎と変われ! 真・ルシフェリオンブレイカー!!」
「行くぞぉ! パワー極限! 雷刃封殺爆滅剣!!」
「柴天に吼えよ、我が鼓動! 出でよ巨重! ジャガーノート!!」
我ら全員の攻撃を受け、オーバーキルも良い所の激しい爆発がブラックホール内で集束する。もろに喰らった欠片のヴァンパイアは、耐久限界を超えてブラックホールが爆散した事で解放はされるが、その場で胸を抑えてうずくまった。まだ形を保っている事には驚いたが、もはや動く力も残ってはおらん。消滅するのは時間の問題だろう。
「………さらばだ………親父の影よ……。その姿、もう二度と俺に見せるな……。見るだけで、かつての古傷が痛む……」
呪詛のように教主殿が呟くと、欠片のヴァンパイアはなぜか笑みを浮かべて消滅していった。教主殿があの欠片の元となった者にどういう感情を抱いているのかはさておき、今の
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