闇王
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……サバタ兄ちゃんの命を蝕む魔導師だって。教えてください、私はサバタ兄ちゃんに何をしてしまったんですか? グレアムおじさんなら知っていると思って、直接訪ねています。お願いです……私も真実を知りたいんです」
「なるほど…………しかし駄目だ、はやて君。アリアとロッテ、そして私が君に真実を話さないのはちゃんとした理由がある。すまない、どうしても今は話せないんだ」
「な、何故ですか!?」
「真実を知る事が君達のためになるとは限らない。ファーヴニルの件も含めて、全てが片付いて……時が来るまで教える訳にはいかないのだ。だから……待っていてほしい。無論、納得がいかない感情はわかる。だが我々にも意地がある、過ちを正してくれた彼に報いるためにも、これだけは破りたくないのだ」
「意地……報いる? もしかして私、また蚊帳の外ですか? まだ……籠の中の鳥なんですか? 真実を知る事が、そんなにいけないんですか?」
「いけないとは言っていない。この真実を君達が知るには、少々早すぎるだけだ。それが我々の決定でもあるし、何より彼の意向でもある。……っと、そろそろリンディ提督との会談の時間が迫っている、私は行かせてもらうよ」
「…………」
すまなそうにグレアムおじさんはこの場を後にして、アースラの中へと入って行った。だけど私は真実を知る事を拒絶されて、自分の何がサバタ兄ちゃんの命に関わってしまったのかわからず混乱してしまう。隣でヴィータが心配そうに見つめてくるけど、しばらく考える時間が欲しかった。答えが私に関わる何かなのは間違いないから、ゆっくりでも徐々に分析していくしかない。こうして捜索の傍ら、私は密かに真実を探る決意を新たに抱いたのだった。
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