闇王
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はあたしも目から鱗が落ちるぐらい前向きだけど、そもそもはやてはどうしてそう考えたんだ?」
「やっぱ……サバタ兄ちゃんの教え、かな? 世紀末世界は私達が今いる世界よりはるかに衰退していて、世界が滅ぶ程の絶望的な状況に何度も陥った。それこそ、私達が直面している脅威と同じぐらいの危機に……。でもあの世界はサバタ兄ちゃんやジャンゴさん……世紀末世界の生きとし生ける人が諦めなかったからこそ、滅びの危機を何度も乗り越えてきた。何があろうと決して諦めない心こそが、最大の武器になる。それを私は……いや、私だけやない。フェイトちゃんやなのはちゃん、クロノ君にリインフォース、まだ私達が知らないどこかの誰かも皆……サバタ兄ちゃんから教わった。一番近くで見てきたからこそ、私はサバタ兄ちゃんの教えを違えたくないんや」
「ん〜、確かに兄ちゃんは色んな事を教えてくれたよなぁ。でもちょっと難しい話もあったから、あたしちゃんと理解できてるのか不安だよ……」
「大丈夫、私も大体似たようなもんや。でもサバタ兄ちゃんが教えてきた言葉は、どんな言い方でも伝えたい部分はいつも同じやった。それさえ見失わなければ、結局どういう覚え方でも大丈夫なんやと思うで」
「そんなもんなのか?」
「そんなもんや」
難しい言い方だけど、その内容自体は割と簡単だ。その事でヴィータは頭の中を整理してうんうん唸っているけど、ここから先は彼女自身の答えを見つけるしかない。まあ、私も通った道だから、これ以上は何か言う必要は無いだろう。
「お? あれは……グレアムおじさん?」
地上からアースラへと繋がる連絡橋の入り口に、彼が入っていくのが見えた。察するにリンディさんへ何か用事があると考えられるけど……リーゼさん達に訊くつもりだった例の事は、彼女達の主である彼も知っているはずだ。そうと決まったら……。
「グレアムおじさ〜ん!!」
「ん? ああ、はやて君と……ヴィータ君か」
「こんな所で会うなんて奇遇ですね、今日はどうしたんです?」
「ああ、本局内部からちょっと妙な反応が検知されてね。今の所何か実害がある訳でもないけど、リンディ提督と念のために相談しておこうと思ったんだ」
「妙な反応ですか? 一体どんな?」
「とても小さい生命反応と微々たる消費エネルギーがそこで検知されている。ファーヴニルの吸収で本局内部のエネルギーがほとんど消失したからこそ、ようやく見つけられたぐらい小さな反応だった」
「はぁ……そんなものがあったんですか。…………ところで話は変わるんですけど、単刀直入に訊きたい事があります。グレアムおじさん、私に何か隠している事はありませんか?」
「……む、どうして私が何かを隠していると思うのかね?」
「ある人に言われたんです、私が
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