闇王
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法が見つかるかもしれないわ。第一、今も捜索している皆さんの希望を消したくないもの……」
「やっぱり、もっと探すしかねぇのか……。……クソッ! 力でどうにかなるなら、とっくの昔に覇王が何とかしている。だけど力だけじゃあ足止めしか出来なかった……! もっぱら力づくの方法しか思いつかないあたしらには、ルアとクレスのような解決法は真似出来ねぇよ……」
「今後の探索ポイントを簡単にまとめると……月詠幻歌を歌うだけで封印できるなら、ファーヴニルには特定音波を届けるだけで眠りにつくという事になります。ただ、明らかにそんな簡単に済む相手ではないと思うので、恐らく月詠幻歌には……何か特別な能力が含まれているのか、もしくは歌い手のクレスさんに特別な力があった可能性が考えられます。なに、月詠幻歌だけが解決法とは限りません、まだ全てを諦めるには早すぎますよ」
シャッハの言った事は、確かに一考の余地はあると思う。月詠幻歌そのものに特別な力があったら、その力をどうにかして解析して他で代用、再現できるかもしれへん。それに特別な力を持っている歌い手がカギなら、時間が許す限りその歌い手を探せばいい。確かに月詠幻歌の喪失は痛手だったが、まだ打つ手が全て無くなった訳ではない。
とりあえず今後の方針が定まった事で、他の皆にどう伝えるかをカリム達が連絡事項に報告書としてまとめてくれるそうなので、まだ書類作りの技能を持っていない私達は部屋から退散させてもらった。停留中のアースラへ戻る道中、ヴィータはせっかく見つけた封印方法が既に消失していた事に落胆を隠せずにいた。
「なぁ、地球でいつも見せてくれた、あの元気なヴィータはどこに行ったん? 元気を分けてくれた、あの笑顔はどこに消えたん?」
「だってさぁ……皆が……はやてがようやく封印方法を見つけてくれたってのに、それがもう無いだなんて辛すぎるんだよ。希望がもう無いなんて、認めたくないんだよ……。大体……カリムはああ言ったけど、考えてもみろよ? 実際に使われた封印方法を見つけているのに、それ以外の封印方法がどこかに記されてるなんて、冷静に考えておかしいじゃないか」
「まぁ……あの場では言えんかったけど、正直にぶっちゃけるとその通りやね。成功した方法を残す理由は普通にわかるけど、試したことがない方法を残す理由なんて、普通は無いもんな。現実から目を逸らしている、事実から逃避している、周りから見てそう思われても不思議じゃない考え方やし。でもさ……ここで諦めたら、これまでやって来た事が何もかも無駄になってしまう。それなら最後の最後まで、諦めずに足掻いてもええやん。そのためなら例え屈折した考え方でも……諦めないための原動力になるなら、前に進む力になるんなら、否定せず自由に受け入れてもええと思うんよ」
「まあ……その考え方
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