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リリなのinボクらの太陽サーガ
闇王
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思惑通りに手の平の上で踊らされている……ただの道化に過ぎなかった。

「ちょ、ちょっと待ってくれ! じゃあファーヴニルを封印する方法はとっくに失われた後だから、二度とあの化け物を封印出来ないって事か!? いくら文献や資料、書物を探しても意味が無いって事なのか!? いや……どこかに……絶対どこかに何か方法が残ってるはずだ! そうだ、そうに違いない! じゃないと皆の努力が浮かばれない……皆の希望がまやかしになっちゃうじゃないか……!」

「ヴィータ……」

「そ、そうだ! 確か先代の娘のマキナはニダヴェリールの出身だ! アイツなら何か知っているかも……!」

「残念ですがヴィータさん、あの子は……マキナはニダヴェリールの生き残りではあっても、歌を継承していません。それに……声の喪失や記憶の欠落、更にせっかく帰れた故郷が敵に操られていたとはいえ管理局に燃やされてしまった。その上、彼女を救ったサバタさんを管理局が指名手配した件も含めると、もうマキナは私達に協力する気にならないと考えられます……」

「私も……正直に言うとシャッハと同じ意見よ。SEEDの件で助けられた後、あの子には身の預かりから流れで聖王教会に入らないかって誘ってみたんだけど、当時は保留という事にしていたの。でもこうなってしまった以上、可能性は望み薄ね……」

「いや……私は、マキナちゃんには誠心誠意話せば、きっとわかってくれると思う。歌は歌えなくとも、彼女の力を貸してもらう事は出来るはずや。まぁ、月詠幻歌を歌える人間がおらんという問題が解決する訳でもあらへんけどなぁ……」

「じゃ、じゃあさ! さっき言ってた覇王の子孫の家はどうなんだ!? 血を継いでいるんなら、月詠幻歌だって伝わっているかもしれないじゃないか!?」

「こちらも残念ながら……イングヴァルト家は伝統的武術として覇王流こそ継いでいるものの、それ以外の文化は一切伝わっていないの。血筋と覇王流……家の意向で家柄と威厳を最も示せるそれら残す事を特に重視したため、それ以外のモノを伝える価値を見出せず、結果……途中で余計なモノとして切り捨てたらしいわ」

「そ、そんな……何やってるんだよチクショウ!」

ファーヴニルを封印できる唯一の方法である月詠幻歌を、マキナちゃんが知っている可能性も、現代のイングヴァルト家に残っている可能性も潰えた現実を前にして、悔し気な顔でヴィータが俯く。リンクなしでも、彼女のそのやるせない気持ちは私も痛いほどわかる……。

「自分達の力と威厳を周囲に示せる武術だけを伝え、過去の人達が培った想いと歴史を形作れる文化を捨てた。だから希望も闇の中に消えてしまった……哀しい皮肉やね」

「ひとまず月詠幻歌の事は頭の片隅に置いておくとして、諦めずに探し続けていれば、もしかしたら他の方
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