闇王
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っ直ぐ飛んでかわし、レヴィは事無きを得た。だがそのタイミングでシュテルがシューターを放ち、奴の不意を突く。いや……突いたつもりであった。しかし奴はレヴィの時と同様に、容易く回避と同時に反撃……咄嗟にシュテルはプロテクションを張って防いだものの、今の不意打ちすらかわしきるとはコイツ、かなりの強敵かもしれん。
「シュテル、レヴィ、臆するな! 相手は一人、我らが勝てない道理はない!!」
「クッ……これも因果か……! 待て、ディアーチェ。いいか、よく聞け! そいつには生半可な攻撃は通じない、ブラックホールで動きを封じ込めろ!」
「教主殿!? だがブラックホールは暗黒物質を扱える教主殿の術……ダークマターを扱えない我には出来んぞ!?」
「いや、おまえなら出来る、いいか! ディアーチェのエナジーは俺が使える戦術をほとんど模倣する事が可能だ。それにおまえが持っている銃は、かつて俺が使ってきた暗黒銃ガン・デル・ヘルと瓜二つ……願掛けならこれ以上の物は無い!」
「この銃が……!? 我に出来るのか……?」
「大丈夫、やるんだ。おまえなら出来る!! おまえにしか出来ないんだ!! ……ッ!」
我に言葉を届けた教主殿の声に反応し、欠片が彼に向けて大量の剣を飛ばす。“U-D”の負担を肩代わりしている事で動けない今、その剣が教主殿の身体に突き刺さる危機に我は寒気を抱く。飛来してくる剣から目をそらさずに見通す教主殿……それが目前まで迫った瞬間、炎熱を纏う砲撃が全ての剣を弾いた。
「教主には指一本触れさせません!」
「ナイス、シュテるん!」
「よし、シュテルはそのまま教主殿を守れ! レヴィ、奴の注意を引き付けろ! その間に我が……ブラックホールを生成する!!」
「わかりました、王! お気を付けて!」
「オッケー! お兄さんは任せたよ、シュテるん! それじゃあ王様を守るのは、ボクの役目だ!」
役割分担が決まった事で、二人もそれぞれ動き出した。そして我は……エルシニアクロイツと柴天の書を格納し、この疑似暗黒銃を構えて体内を流れるエナジーを銃口に集中させる。やがて銃口に小さな重力場が発生、ブラックホールの種が現れた。
だがここからが大変だ。教主殿は割と簡単に為し遂げるが、ブラックホールの巨大化には制御の部分でかなりの神経を用いる。わかりやすく言うと、ピンポン玉を乗せたスプーンを持ったまま、ピンポン玉を落とさずに縄の上を100メートル綱渡りするようなものだ。しくじればせっかく大きくしたブラックホールはあっという間に縮小、消滅してしまうし、制御が狂えば逆に自分が吸い込まれる可能性もある。まさに一つのミスも許されない技術なのだ。
「だがここで成功させてこそ、我が闇統べる王である証! 自らの闇も制御できずに、王を名乗れる
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