闇王
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〜〜Side of ディアーチェ〜〜
我から未完成の制御ワクチンを送り込まれた教主殿は、エグザミアの暴走を抑える事で受ける反発ダメージのせいで、無数の傷が身体に刻まれていく。元々12月まで待って完成した制御プログラムであれば、彼にこのような苦痛を与えずに暴走を止められたはずなのだ。しかし……たった今、教主殿は実行してしまった。それによって先程送った制御プログラムが教主殿を介して“U-D”の全身に行き渡るまでの間、教主殿はダメージを肩代わりし続ける。そしてここに来た我らの役目は……無限に魔力を発生させるエグザミアから制御プログラムの効果が及ばずに切り離されてしまった、“闇の欠片”の始末である。
「よいしょぉっ!! これで……45体目!!」
「ルべライト! からの……機神菩薩黒掌!!」
「ひかえよ塵芥ども、教主殿には決して手出しさせんぞ!! アロンダイト!!」
“U-D”の周りに発生している澱みのような場所から続々と現れる、教主殿の記憶にある人物やアンデッドを色彩も特徴も含めて模した欠片を、レヴィが片っ端から切り裂き、シュテルが捕らえてから何故か掌底で吹き飛ばし、我が一網打尽の砲撃を放つ。我らの本懐ともいえる連携で教主殿に害成す雑魚どもを殲滅していく事で、継続ダメージ以外の障害を減らそうと尽力しておる。
それと我の力はダークマターとは異なるが、教主殿に近い性質を持つ暗黒の力だ。これを利用して我は、倒した欠片の魔力をろ過し、教主殿にも効果がある回復魔法として変換、継続ダメージの負担を軽減している。制御プログラムのワクチンを打ち込んだ後、我に出来るのはこれぐらいしかないので腹が立つが、かと言って役目を放棄するなどあり得ぬ。
制御プログラムが行き渡るまでの時間が不明な以上、あとは教主殿を含む我ら全員の気力次第で、作戦の成否が決まる。焦燥感に支配されそうな気持ちを奮い立たせ、我らはひたすら欠片を駆逐していくしかない。そんな時、これまでとは異なってひときわ大きな欠片が姿を形作り、我らの前に君臨した。
「うわ、なんか大きい人っぽいのが出て来たよ!? でもコイツが持ってる銃って、どこかで見たような……?」
「服装は古ぼけたコートに、色あせたボウシ、すり切れたブーツ……ぐらいしか識別できませんね。あとグローブを付けてるのはわかるんですが、ちょっとあせくさそうです」
「恐らくこれは教主殿の記憶にあるヴァンパイア、何かしらのイモータルを模したものだろう。だが我らの為すべき事は変わらん!」
「だね、欠片は倒すだけだもん。って事でおっさき〜!!」
先制攻撃を仕掛けるべくレヴィが突貫、バルニフィカスで斬りかかる。だがその瞬間、奴は卓越した動きで回避、反撃でレヴィがいる位置にショットを放ってくる。慌てて攻撃した勢いを利用して真
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