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古城
2部分:第二章
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ていたのもな」
「ええ」
 またネス湖の話が出た。
「あの場所の景色がいいからだ」
「ですね。あの辺りはネッシーを抜きにしても行く価値があります」
 ネッシーだけが注目されるがその山の森と湖、古城の組み合わせが絵画になっているのだ。あの辺りもまたスコットランドの美なのである。
「ですが今回は、ですね」
「また今度だ。ハギスは何時でも味わえる」
「確かに」
 ハギスとはスコットランド名物料理だ。羊の腸に色々なものを詰めている。ソーセージに似ているがその味はかなり違う。変わった料理と言える。
「では今日はその城に案内させて頂きますので」
「頼むぞ」
 こんな話をしながらその城に向かう。城は今ではあるスコットランドの貴族の所有物になっている。その主が伯爵を出迎えたのであった。
「ヘンリー=オズワルド伯爵ですね」
「如何にも」
 帽子を取り穏やかに端整な動きをして一礼するのだった。
「私がそのヘンリー=オズワルドです」
「ウォルター=スタンフィールドです」
 主も名乗ってきた。
「伯爵であります」
「そうですか。同じですね」
「同じであると何かと話し易いですね」
 彼は穏やかな笑顔でオズワルド卿に述べてきた。

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