短編集
少年少女の出会いの話
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されるような、そんな気配だった。
けれど興味もあって先を促すように目を向ければ、悪戯っぽく瞳が煌めいて。
「向こうが覚えてるかは解らないけどね。アンタの事、師匠って呼んでたわ」
牢屋の中にいた。括り的には同じ牢屋であっても、あの時入れられたそれとは比べ物にならない。魔封石で作られている為に魔法は使えず、大人数が入っている訳でもない。
1人で嬉しいような寂しいような、入り混じった思いだった。声には出さず唇の動きで呟いたのは、信頼する師匠たる青年の名。
あの時のような助けはない。透き通る斧が振り回される事も、氷の造形が飛ぶ事もない。けれど、今はそれを必要だとは思わなかった。時間をかけて償って、今度こそ。
「……師匠と、ティア嬢に」
言うべき言葉を、ちゃんと。
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