Fate/stay night
1102話
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思おうとしたが、既に時間は午前10時30分を過ぎている。
聖杯から与えられたであろう日常生活の知識によると、このくらいの時間であれば普通に親子連れとかが遊びに来ていてもおかしくないんだが……そんな様子は一切ない。
確かにこの公園なら、戦うには十分過ぎる程の場所だろう。
「10年前にここで大火事があったのよ。それも、この周辺をまとめて焼き尽くすような」
「……なるほど。確かにゾッとしない場所だが、戦うという意味ではこれ以上ない場所だろうな」
「そうね。ただ、私としてはここであまり戦いたいとは思わないけど。……次に行きましょ、次」
そう告げられ、新都の色々な場所を見て回る。
基本的にはさっき公園で話を聞いた大火事により、殆どが燃やし尽くされた場所にここ10年で一気に発展してきたのがこの新都と呼ばれている場所らしい。
それだけに、戦いを行うとなると派手な戦いを隠すのは難しいと思われる。
……まぁ、俺の戦闘スタイルが格闘で前衛兼後衛の凛に対しての魔力供給役なのを考えると、寧ろ俺にとっては楽な場所なのか。
剣や槍、弓といったものを使った戦闘に比べると、生身の格闘の方が周囲に見られても怪しまれないし。
もっとも、普通のサーヴァントなら霊体化出来るのを考えると、そこまで秘匿に関しては心配いらないんだろうな。
その戦闘で壊された周囲の物とかは残るんだろうけど。
そうしてめぼしい場所の殆どを見て回った俺と凛は、最後の仕上げとばかりに新都の中でも高いビルの屋上へと出る。
「どう? 今日1日戦場となる場所を見て回った感想は」
そう尋ねる凛は、空から降り注ぐ月明かりに照らされ、幻想的と言ってもいい美しさを誇っていた。
一瞬その姿に目を奪われるも、すぐに我に返って頷く。
「ああ、問題ない。この新都で戦闘になってもどうにか出来ると思う。……ただ、出来れば最初にここに連れてきて欲しかったな。ここからなら新都の殆どを一瞥出来るし」
「そうは言っても、直接その場に行ってみた方がいいでしょ?」
屋上の端の方へと歩きながら告げる凛だったが、色々と危ないぞおい。
特にここは屋上だから風が強いし、何かあった時の為に凛の側に移動する。
……うん? 何だか下を向いて固まっている凛の姿を不思議に思い、視線を追う。
凛の視線の先にいたのは、地上を歩いている人物。
俺と似たような赤い髪をした男で、何だかギョッとした視線をこっちに向けているけど……あれ、俺と凛が見えているのか?
このビルの高さを考えると、普通の人間なら見えない筈なんだけど。
「アークエネミー、行きましょ」
「いいのか? お前の知り合いなんじゃないのか?」
素っ気ない凛の態度に首を傾げて告げるも、凛は関係ないとばかりに視線を
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