第3章 リーザス陥落
第53話 ヒララ合金を求めて
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をつけている?
「……あれ、志津香? どこに行くの?」
「ちょっとね。気になって」
「ヒトミちゃんの事? 大丈夫よ。だって、ユーリさんの事信頼してる妹の様な存在だって」
「そう? なら、私も会ってみたいって思っても良いと思わない?」
「……」
どうやら、自分の目で見ないと気がすまない様だ。かなみの事は信頼しているけど……、事、ユーリの事なら尚更なのだろう。
「う〜ん……、なら私も一緒に行く!」
「ええ、良いわよ」
最終的には志津香に迫力負けしてしまったかなみだった。
〜アイスの町・ユーリ邸〜
ユーリは何だか、随分と久しぶりのような気がしていた。何故だろうか、期間を考えたらこれまででも長く空けた日は多い。なのに……今は強くそう思ってしまっていた。
「……多分そうだよな」
ユーリは、ぽつりと呟いた。
何故だろうか?と思っていても、間違いなくこれだと言う理由は思いついていたのだ。
「……帰りを待っててくれる存在があるからだろうな。間違いなく」
ユーリはそう呟く。
多分表には決して出さないけど、彼は人一倍、家族想い何だということが垣間見た瞬間でもあった。これまで、彼が経験してきた事を考えたら、仕方がないとも言えるだろう。
そして、ユーリが家の扉の鍵を開け、扉を ぎぃぃ、と音を立てて開けたその時だ。
「お兄ちゃんっ! お帰りっっ!!」
開いたと同時に、満面の笑みで、飛びつくように抱きついてきたのはヒトミ。
ヒトミもやっぱり寂しく温もりを求めていたんだと思う……。彼女のこれまでの生を考えたら。そして、何よりもユーリが無事だった事が嬉しくて仕方がないんだろう。
「はは、……ただいま。ヒトミ」
ユーリは、ヒトミの身体に手を回し……後ろ髪を撫でた。
頭を、と思ったのだけど、ヒトミはまだあの帽子を身につけているのだ。
「はぁ。ほんとに、ハゲるぞ? ずっと、頭につけてたら」
「ぶーー! 帰ってくるなり、おにいちゃん酷いよっ! それに、だいじょーぶなのっ! 帽子は、しがいせん? を防いでくれるんだよっ! 髪にやさしいんだもんっ!」
「しがいせん?」
何やらよくわからない単語が飛び出したが……軽くスルーをする事にしたユーリだった。
そして、ヒトミはニコニコと笑顔を見せた。
「あ、それでね? お兄ちゃん」
「ん? どうした?」
「えへへ。後ろのお姉ちゃんはだーれ?」
「……?」
ヒトミが笑顔で指さす方向にユーリが振り向いた。
そこには、間違いなく誰かがいた。……木影に人影有るのだ。人影と言うか間違いない。隠れたのは ユーリが振り向いたと同時だったか
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