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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第200話 彼の元へ…
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いる少女は、彼を見ていたから、感じたのだ。
「昨夜、帰ってきた時 お兄ちゃん、凄く怖い顔、してました。たぶん、昨日の予選の時点で、判っていたんだと思います。何処までかは判りませんが、……GGOに、《ラフィン・コフィン》に入っていた人たちがいる事に。そして、それが判ったからこそ、今回の件が ただの事件なんかじゃないって。……だから、決着をつけに行ったんだと思います。……それも2人だけで」
リーファは、少しだけ、ほんの少しだけ表情を和らげて 言う。だが、その表情は和らいだとしても、悲痛そのものだった。
「お兄ちゃん、アスナさんの事を除いたら、次によく言うのはリュウキくんの事、なんだよ。……本当に2人は信頼し合ってるんだ、って判った。そんな単純な関係じゃなく。……だから、2人だけで行ったんだと思います。《PK》をやめさせる為に」
それを訊いた途端、アスナそしてレイナも息を飲んだ。
少し、悔しかったのは2人ともだ。其々が彼らを一生懸命見てきたのは間違いないから。そして、その推測はきっと正しい。《自分の責任だ》と言うだろうと思えるんだ。
レイナもよく訊いていた。あの世界で、リュウキの言葉を。
『
あの時
(
・・・
)
、オレがトドメをさすべきだった。全てを終わらせるべきだったんだ。……だから……、オレの……』
責任を口にするのは、リュウキも勿論そうだ。止められる力があるのに、と何度も訊いて、そして 彼を支え続けたから。何度も抱きしめたから レイナはよく判ったんだ。
「バッ……ッカ野郎がぁ……!! 水くせぇんだよ!
あの世界
(
SAO
)
でも、
現実
(
こっち
)
に帰ってきてからもよぉ!! 肝心な時に、全部背負おうとしやがって……! それで、オレは、肝心な所で……っ! ひとことでも言ってくれりゃあ、ふん縛ってでも、一緒に連れて行かせたっていうのに……」
SAOの世界の終演。
第75層、あの暗く高いドーム状のBOSS部屋で 終演の全てを見たクラインだからこそ、強くそう思ったのだろう。リュウキが砕け、キリトが絶望し、そして 皆が消えてしまったあの時、あの 現実へ還れると言うのに、感じた絶望感を思い出したから。
そして、それを訊いたシリカが口をゆっくりと開いた。
「そう、ですね。でも、キリトさんは、………リュウキさんは絶対に言わないです。少しでも危険があるのなら、巻き込もうとする訳がない。……そして、どんな時も、皆を助けてくれる。その為に、ご自分がどんな危険な目にあってでも……」
シリカは、胸に抱いたテイムモンスターである《ピナ》を抱きしめた。
あの世界で、助けてもらった小さな命。……デジタルの命。ここでこうやって その温もりを感じる事ができるのは、2人のお陰なのだから。
泣
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