暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
第四話「飛鳥の決意」
[10/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
くそっ……ウロチョロと!」
大勢の人ごみに紛れた俺たちを探すことはできなかった。さすがに命令なしに勝手な行動はできないらしい。ISの連中はとりあえず上空で待機しつつ次の指示をまった。

「ハァ……ハァ……!」
再び息を荒げて俺たちは表の大通りへ逃げ込んで、人ごみの中に流されながらある公園へとついた。
この公園でも人気は多く、大勢の子連れの母親たちがベンチに座って雑談をしている。俺たちも、近くのベンチに腰を下ろし、十分に息を整えていた。
「ったく、飛んだ奴らに目を付けられたもんだな? オメェは……」
「そっちこそ、本当にしつこいですね?」
「あたぼうよ! 俺は、本当の事実をしりてぇんだ……」
「そこまでして、警察に貢献したいんですか?」
「いや……これは俺個人のことだ」
「え……?」
「あの時、お前は言っただろ? 『本当の敵がいるんじゃないか』ってさ。それについて心底考えさせられちまった。考えれば、考えるほど、この世界で刑事やってると思ったら吹っ切れちまってよ? 今となっちゃあ、どうでもよくなっちまった……」
「多熊さん……」
「ははっ! 俺だって、本当のことを言えばいっそ刑事をやめてお前みたいに大暴れしたいぐらいさ?」
再び懐からタバコを一服する多熊は、俺にこう問う。
「お前は……さっき言いかけた「リベリオンズ」ってのに入ってんだろ? まぁ、俺が察するに反乱軍みたいな組織だと思うが……」
タバコを吸い終えると、立ちあがって隣の灰皿へ捨てると、続けて尋ねた。
「お前は……何のために戦うんだ?」
「え……?」
「お前さんは、その組織に入っているようだが、何か目的があって戦ってんじゃないのか?」
「……」
俺は黙った。と、いうよりも答えられなかった。ここまでの経緯がほとんど成り行きという形で進んできたからだ。
「ま、言いたくなければいいさ?」
「……成り行きです」
俺は思い切って答えた。何ていわれるかわからないにせよ、とりあえず答えた。
「成り行き?」
「俺……元はニートだったんすよ? それも、エリア9の方の金持ちの家庭に生まれたんすけどね?」
「金持ちなら、親御さんのコネかなんかで就職できるんじゃねぇか?」
「それができれば苦労はしません……俺、幼いころから何をやってもダメな不器用な男ッスから、高校をかろうじて卒業しても、大学受験には落ちちゃって……繋ぎの仕事も入ってすぐに戦力外にされちまったんです……そして、クビって落ち。こんなことになってから、家族からは完全に孤立して、リアリストの両親からは妹以上に不遇されることになったんです」
「ほぉ……オメェも、苦労してんな?」
「それが嫌になって、途方に暮れていたときに成り行きで……」
「そう言うことかい? まぁ、今はないにしろ……これから探せばいいじゃね
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ