第四話「飛鳥の決意」
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。
「……そういや、オメェさん確か九条とかいったな?」
「はい……九条です」
「俺は、警視庁の多熊要四郎ってんだ。ま、多熊って呼ぶなり要四郎って呼ぶなり好きにしな?」
「多熊さんは、俺に何が聞きたいんですか?」
「……なに、今は状況も状況だ。手短に話そう」
と、タバコを吸い終えると、それを革靴で踏み消して再び俺にこう尋ねた。
「……白騎士事件での事実は誰から聞いた?」
「白騎士事件の?」
「一般からは、白騎士事件は被害件数がゼロって言われていただろ? だが、俺はそれを否定した。お前もそれを聞いて違和感のない顔をした。違うか?」
「……」
答えずに頷くと、多熊刑事は続けた。
「お前は、その真相を誰から聞いた?」
「それは、リベリオンズの……」
俺はつい口が滑った。咄嗟に口を閉じるも、それを多熊は聞き逃さなかった。
「リベリオンズ?」
「あ、いや……」
「おい、そのリベリオンズってのは何なんだ? 留置場へ現れてお前を助けた男のことか?」
多熊は、おそらく蒼真のことを尋ねようとしたのだが、俺はとっさに口を固く閉ざした。
「頼む、教えてくれ? 今、この世界の裏側でいったい何が起きてんだ!?」
胸ぐらを掴まれ、俺は激しく問い詰められた。
「それは……」
「もしかしたら……ISに仇名す強大な存在が居るんじゃねぇのか!?」
「……」
「九条、答えてくれ! お前は、いや……お前たちはいったいこの世界に何をさせようとしてんだ!?」
「ごめん、アンタが警察だから……」
「くぅ……」
多熊は、苦虫を噛み潰したような表情をする。
この世界の治安を守る警察、それが俺の信用しない理由だ。いくら、反IS派はといえ、この人は警察の人間だ。この世界を守る……
「居たぞ、ターゲットの九条飛鳥だ……!」
「!?」
頭上からの叫びに俺は見上げた。
「IS!?」
そう、真上には数機のISがこちらを補足していた。
「な、何で!?」
何故、ここでISが現れたことに俺は目を丸くする。
「お前さんは、ISにも目を付けられるほどの御尋ね者ってことだ!」
多熊は、咄嗟に俺を手を引いて逃げ出した。
「追え! 上空から射殺しろ!?」
ISの部隊は容赦なく上空から裏路地を走る下の俺たちへライフルを発砲しだした。
「くそ! 生け捕りにはしないってことか!?」
息を荒げながら、いつの間にか俺の後を走る多熊。そんな彼に振り向いて俺は叫ぶ。
「貴方だけでも逃げてください!」
「バカ言うんじゃねぇ! 本当の事実を聞けないまま、オメェを死なせてたまるかってんだよ!?」
多熊は走りながら振り返ると、また俺にこう言う。
「表へ出ろ!幾ら奴らでも一般市民を巻き込むことはしねぇはずだ!!」
多熊の提案に、俺は彼と共に表の路上へと飛び出した。
「
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