第四話「飛鳥の決意」
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だらけではあるものの、明日は今までの日常とは違う何かが待ち構えていると思い、無理にでも睡魔を呼び寄せて眠りについた。
しかし、どうしても寝付けなかった。やはり、知らない人間の家でいきなり寝泊まりするのは落ち
着けない。
「外はどうなってんだろ?」
眠くなるまで、窓を開けて外から流れる夜風に当たろうとした。
「雲の上だから星が凄い綺麗だな……」
この要塞は雲の上、高度数万メートルの上空に浮遊している。メガロポリスに居たころは、めったに空すら拝めることはできず、夜でさえも曇りが続いて星の光などみることなどできなかった。
「……?」
だが、そんな夜空に、一筋の流れ星が見えた。いや……流れ星にしてはゆっくり過ぎる。
「流れ……星か?」
いや、違う。流れ星なら曲線を描いて飛んだり、一度止まってまた落下し直すことすらできるはずない。あれは……?
「……」
つい、好奇心に駆られて俺は無意識に外へ出た。ここは、要塞の環境設備によって高高度を浮遊していても、温度は調節されているためそれほど寒くはない。
「……!」
俺は、あの流れ星に見えたシルエットを追った。シルエットは、徐々に近づいてこの付近の公園へ降り立った。
「あそこか!?」
息を切らして、俺はシルエットが舞い降りたとされる公園までたどり着いた。しかし、辺りは街灯が照らす場所は真っ暗で何も見えない。
「誰も、居ないのか……?」
誰もいない。そう諦めて元来た道を戻ろうとしたそのとき、ふと背後から温かな優しい光がの背を包んだ。
「!?」
振り返ると、そこには光に包まれた女性が浮かび上がり、ゆっくりと地面へ降りたつ光景が映った。
そして、その女性を俺は知っていた。
――弥生?
そう、それは確かに天空侍弥生である。光に包まれた巫女装束を纏って舞い降りるその姿は、天女か天使のように美しく見えた。
「て、天空侍さん!?」
「え……?」
俺の叫びに少し驚いて弥生は振り向いた。
「く、九条さん……?」
俺は弥生を蒼真の自宅へ連れ帰った。後に彼女の突然の登場に、蒼真は少し驚くも、心配して状況を尋ねた。
「どうしたんだ? 急に帰ってくるからビックリしたぜ……」
「いきなり押しかけてごめんなさい。でも、一大事なんです」
「一大事……?」
俺は首を傾げた。何のことだろうか?
すると弥生は、蒼真にテレビを付けるよう言うと、蒼真も嫌な予感を感知すると、慌ててテレビのスイッチを付けた。
「こ、これは……!?」
テレビで放送されていたニュースには衝撃的な現実が俺につき付けられていた。
「俺が……指名手配!?」
幸いなことに殺人者として扱われはおらず、何か重要な軍の機密資料を盗んだという罪で指名手配されいるらしい。
「そんな……」
膝がガクッと落ちた。今まで生きてきた中でこ
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