第四話「飛鳥の決意」
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装着者の体に溶け込んで、後は装着者の意のままに武器として展開される」
そう魁人は、懐からガラス玉のような球体を取り出して見せた。
「けど、そんな経験はしませんでした。気が付いた、勝手に零っていう刀を展開していて……」
「ふむ……これは、そうとう興味深いね? 本来なら、装着者がRSを選ぶのに、逆にRSが装着者を選んだというのか……装着者を選ぶRS……」
「ところで魁人、俺はコイツに稽古つけてやりてぇんだが……借りてっていいか?」
「ああ、いいよ? ついでにデータも取ってきてほしいな?」
「わかった」
「え、稽古?」
俺が首を傾げる。
「ま、一通りの基本動作を教えてやる。ついて来いよ? そう難しいようなものじゃない」
と、そう言って俺は再び蒼真とこの研究室を後にした。
一旦、蒼真の自室を出て次に向かったのは東京ドーム並みの巨大なアリーナであった。そこが、RS装着者たちの主な練習場らしい。
アリーナには大勢の装着者が、それぞれの愛用の武器を手に激しい模擬戦を繰り広げていた。それはあのISに劣らぬ大迫力な戦闘である。
そんな中に俺と蒼真が立っていた。
「とりあえず、展開するよう強く念じるんだ。誰でも出来る」
「は、はい!」
しかし、どれ程念じようが、踏ん張ろうが、中々RSは二刀の真剣に変わろうとしなかった。
これには、蒼真も目を疑い、何度も俺にやらせてみせるが……やはり、状況は変わらなかった。
「おっかしいな? 故障……って、ことはないだろうし」
「どうすれば?」
「いや、大抵SRつったら、念じればすぐにでも出せる。俺のだってほら?」
そう言うと蒼真の片手は、一瞬の光が起きたととみに彼のSR、迅紅を握りしめていた。
「どうして、このRSは展開すらしないんだ? こいつは俺でさえ興味を感じるぜ」
「あの、俺はこれからどうすればいいんですか?」
「魁人のやつに零を徹底的に調べてもらう。それがわかるまでは俺の家で寝泊まりすればいいさ? あ、住まわせる代わりといっちゃあ何だけど、できれば家事洗濯もやってもらえない?」
「は、はい……」
「んじゃ、決まりっと! とりあえず、魁人が答えを出すまでの間は、地上を一人でブラブラするんじゃないぞ? まぁ、どうしてもっていうなら俺か誰かと一緒に行くことだ」
*
その夜、俺は蒼真の自宅で空き部屋を借り、一人で静かに寝ていた。
「……」
今頃、魁人は寝る間も惜しんで零の解析に喜びながら没頭している頃だと蒼真は言っていたが。本当かはわからない。
「俺、本当にどうなっちゃうんだろ……?」
退屈なニート生活から、一気に漫画のような世界に放り込まれてしまい、頭の整理が未だつかないでいる。
「少なくとも、身の安全は保証できるんだよな……?」
それもまた心配である。とりあえず、不安なこと
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