第四話「飛鳥の決意」
[14/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るわね? 坊や……」
「くぅ……くそっ!」
首を絞めるISの握力が強まり、俺はさらに叫びをあげ、その声を涼しげに聞くIS達。
そんな中で、俺は徐々に抑えきれぬ怒りに支配される。
「許さねぇ……」
「はぁ?」
「お前たちだけは……絶対に許さねぇ!!」
そして、俺の体が光に包まれた。髪が逆立たせ怒りに燃える俺に熱い闘志が湧き上がった。
「うおぉ……!」
俺は、首を掴んでいるISの手を掴み返した。
「な、何だ……?」
首を掴むISの一人が呟いた途端、彼女は勢いよく吹き飛ばされた。
「どうした!?」
慌てて飛ばされた仲間の元へ駆けつくが、飛ばされた彼女は腹部に深い斬りこみを刻まれて絶命していた。
「ま、まさか……」
周囲のISは恐る恐るこちらへ振り向いた。そこには、両手に真剣を握る俺の姿がいた。
「兵器と差別が支配する世界なんて、俺は絶対に認めない!」
俺は目にもとまらぬ速さで目の前のISへ飛び込んでいった。そして、血渋きと幾人もの悲鳴が真上の空へと響き渡った……
*
戦いは、瞬く間に終わっていた。
「……」
息を荒げる俺の周囲には血まみれになったISたちの無残な遺体が転がっている。
「終わったようだな……」
「多熊さん?」
がれきの裏から身を潜めていた多熊さんが俺の背後から出てきて、目の前に転がるISの遺体に目を指す。
「へへっ……しかと見届けたぜ? お前の戦いを」
「殺人罪で、逮捕ですか?」
冗談交じりな口調で、しかし実際にはこれほど大勢の女たちを殺したんだ。洒落にはならない。
「指名手配犯、九条飛鳥の消息は不明。多熊警部が現場へ到着した時にはテロと思われるIS集団の遺体が発見されていた」
「え?」
僕はその台詞にキョトンとする。
「俺は、お前と接触しなかった。ていうことにしておいてやる」
「多熊さん……」
俺は、黙ったまま頷くと、彼の約束を聞いた。
「……俺の分まで、戦ってくれ?」
「……!」
「頼んだぞ……」
それだけ言い残すと、多熊さんは僕の元から静かに去っていった……
*
後にリベリオンから蒼真と弥生が駆けつけに来てくれた。二人の前には零を両手に持つ俺の姿がはっきりと見えた。
「九条さん……」
弥生は、俺の後ろへ歩み寄る。
「九条、俺たちが来るまで、いろいろとあったようだな?」
蒼真もこちらへ歩み寄ると、俺は二人へ振り向いて、まずは謝罪した。
「ご迷惑を、おかけしました……」
「気にするな? 今回の件はお前のせいじゃない」
「そうですよ、さぁ帰りましょう? 皆さんが待っていますよ」
「……!」
俺は力強く頷き、二人と共に上空の基地へと帰還した。
――俺は必ずこの世界を変えてみせる。もう迷わない。例え、どれ程罪を背負おうとも、どれ程の憎しみに苦しめられようとも
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ