第四話「飛鳥の決意」
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ぇか? それがどんな答えであれ、お前の道は自分で決めろや?」
と、多熊は俺に懐っこい笑みを見せた。
「さて、そろそろ昼時だ。どうだ、近くで何か食うか?」
「え、いや俺は……」
「おごってやるよ? これからどうするにも、まずは腹ごしらえだ! お前も今のうちに腹を満たしておけ」
「……」
かと遠慮があるが、確かに腹も減ってきた。喉も乾いたし……
「ほら、行くぜ? 九条!」
「はい……」
俺は、ため息をつくが、しかし少しだけ多熊に微笑を見せた。それを見た彼も俺に微笑み返す。
――もし、俺に息子が居たなら、これぐらいの年頃にはなってるか……
ふと、後ろを歩く飛鳥を見て多熊はそう抱いた。
*
時を同じくして、九条たちの捜索を続けるIS部隊は本部からの指示を受けていた。
「目標は、なおも逃走中とのことです……」
『へえぇ〜……で、そのまま見逃したってわけ?』
無線からは聞こえる声はあまりにも陽気すぎる口調であった。
「申し訳ありません。ターゲットは、人ごみの中に紛れていて……」
『じゃーあ? その``人ゴミ``ごとターゲット消しちゃえば?』
「えっ!? し、しかし……」
つまり、一般の大衆をも巻き添えにしてもかまわないとのことだった。
『どれだけ苦労して、こっちがターゲットに「電磁波催眠術」をかけたかしってんの?』
「……わかりました。では、予定通り実行いたします」
『うんうん♪ ちゃーんと``Tさん``の言うこと聞いてくれるから、皆いい子だねぇ〜? じゃ』
通信は終わった。そして、連絡を取ったISの隊長は部下に内容を告げた。
「一般市民を巻き添えにしてもかまわんとのことだ……」
「へぇ? 『ドクター・T』も、たまには面白いことを思いつくじゃねぇか?」
そう、別のISパイロットが残忍に微笑んだ。
「しかし、あまり派手にやらかすな? われわれの目的はあくまで九条飛鳥の抹殺なのだからな?」
「へいへい……」
面倒な顔をする部下は隊長に向けて相づちをうった。
「御馳走様でした」
「いや、こっちも久々に若い奴と飯が食えて楽しかったぜ?」
ラーメン屋を出た俺は、ふたたび逃亡を再開した。
「裏路地へ向かいます?」
「いや、もうその必要はねぇ……そもそも、俺を誰だと思ってんだ? 刑事だぜ?」
と、彼はニタニタしながら警察手帳を見せた。そうか! 彼は警察だから、もし誰かに見つかっても多熊警部が庇ってくれるんだ。
「最低でも、一般人や警察とかには通用する。とりあえず、お前の仲間が迎えに来るまでの間は守ってやる」
「ありがとうございます。でも……」
「あ? 仲間のことは話さねぇってか?」
「……」
俺は、御馳走してくれたことには礼を言うが、それに付け込んで聞き出そうとしているのではないかと、未だ多熊を疑っ
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