第五十九話 【SAO編】
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ったPTで狩りに行くもの、皆それぞれだ。
PTの募集はひっきりなしに行なわれているが、自己の事で精一杯の現在では他者を助けようとする者は少ない。
そんな中、城門の片隅で声を掛けようとして、躊躇っている12・3歳の少女を発見する。
興味を引かれて近寄ると、躊躇いも無く声を掛けた。
「なにか困った事でもあるのか?」
その少女に声を掛けたのは何故だったろうか。
薄クリーム色の髪を玉飾りのついたリボンで両側で纏めているその様相がなのはに似ていたからかもしれない。
「え…あの…」
俺は少女の言葉を急かさずに待つ。
「あたしも一緒にフィールドに連れて行ってくださいっ!」
勢いで最後まで言いました、という感じで一息でそう言った彼女。
レベル上げ、又は生活するためにはフィールドに出なければならない。
別に食べ物は食べなくても死にはしないだろうが、四六時中襲ってくる飢餓に打ち勝てる精神力があればの話だ。
「もう夜だけど?」
「あっ…決心したのが昼間で…声を掛けようとここに来てたのですが…」
戸惑っている内に辺りはすっかり暗くなっていたと。
アインクラッドの夜は、その時間でもプレイ出来るように月が出ていれば真昼間とは言わないが、あたり一面見渡せる。
だから、夜と言えど狩りが出来ないと言う事にはならない。
「…どうしても今日?明日とかは?」
「…今日行けなかったら、多分あたしはもう外には出れません」
なるほど、恐怖に打ち勝って何とか最初の行動に移れるタイミングが今なのだろう。
今日では無く、明日となればまた心を奮い立たせるのにどれだけ掛かるか。
「…分かったよ。一緒に行こうか。でも今日は3時間ほどで帰ってくるつもりだよ」
「っはい!ありがとうございます」
凄い勢いで頭を下げる少女。
「あたし、シリカって言います。あなたは?」
「俺はアイオリア。アオでいい」
「はいっ!」
それが長い付き合いになる俺とシリカの最初の出会いだった。
夜の草原をシリカと二人でモンスターを狩る。
周りには人は殆ど見えない。
そんな中、海賊刀を振ってイノシシのHPを減らす。
「シリカっ!」
「はいっ!」
後ほんの一撃、それだけで倒せるほど弱らせてからシリカへとバトンタッチ。
ザッ
振ったダガーのソードスキルがイノシシに当たりポリゴンが爆発し、経験値が入る。
「それにしてもアオさんって強いんですね。リアルで何かしているんですか?」
「家が剣術を担っていてね。子供の頃から教え込まれているよ」
「へぇ、そうなんですか」
その後、シリカは何か考えるようなそぶりをしてから、
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