第五十九話 【SAO編】
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それはそうだ。
『星の懐中時計』ならレジストすら出来ずに瞬時に止まる。
止まるという事は干渉できないと言う事だ。
つまりナーヴギアからの干渉も受け付けない。
話がそれた。
つまり今、俺は選択に迫られている。
このまま引きこもって安全に誰かがクリアしてくれるのを待つか、それともフィールドに出てクリアを目指すか。
それは転生してから久しぶりに感じる死への恐怖だった。
転生を繰り替えずごとにいろいろな物を得て強くなっていると自分でも思っていた。
だけど、ここではその多くの超常の力が一切使えない。
念での身体強化、写輪眼での模倣。その他全てが…
ここでは自身のアバターの数値的な強さが全てだ。
つまり、ここでの今現在の俺はそこらに居るプレイヤーキャラの何も変わらない所に立っている。
その事にも恐怖を感じる。
あまり考えないようにしてきていたが、やはり心のどこかで人と違う事が出来る自分に優越感を持ち、その力に溺れていたのだろうか?
ここではレベルを上げなければいつまでも弱者だ。
さて、街の中はアンチクリミナルコードに守られ、ルール的には絶対に安全だ。
しかし、それは本当に絶対だろうか?
絶対と言う言葉を俺は信じない。
起こるわけもない転生を繰り返しているのだ。絶対なんて事はありえない。
弱ければ身を守ることは適わない。
何が俺を突き動かしたのかは分からない。
しかし俺はこのゲームをクリアして現実世界へと戻ると決めた。
はじまりの街の北にある門へと向かう。
そろそろ太陽も沈もうかと言う頃。
声を荒げパーティ募集を掛けている人たちがまだほんのわずかだが存在する。
まだゲームが始まって一週間。
固定PTを組もうにも、気が合わない者、死への恐怖から一度フィールドに出てからまた引きこもる者、様々だろう。
さて、ここに来た俺は直ぐに募集に答えてPTに加入する事を考えたわけではない。
まずは情報収集だ。
情報。
これはどんな世界、どんな時代、どんな状況でも大事なものだ。
とりあえず、フィールドから帰ってきたような人に目をつける。
20を超えたような青年達の集団だ。
青年達はどうやら一時PTを解散したようで、皆それぞれの目的のため、町の中へと散っていく。
俺はその中の一人に声を掛ける事に決めた。
少々目つきが悪く、無精ひげも生えていて顔は怖いが何処か面倒見の良さそうな感じがする。
「あの、すみません」
「あん?俺か?」
俺の声に気の弱い人なら物怖じしてしまうような声が返ってくる。
「はい、少し聞きたい事が有るのですが良ろしいですか
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