第五十九話 【SAO編】
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悪態をつくクラインだが、今まで散々振り回されていたのだから仕方が無いか。
じーっ
視線を感じて振り返ると馬を操る俺を見上げるシリカ。
「…乗りたいの?」
「っはい!」
「しょうがないな」
手綱を左手に持ち、空いた右手でシリカを持ち上げて手前に座らせる。
「わぁ、高いですね」
「あんまりはしゃぐと落ちるよ」
余りスピードはあげてはいないから、徒歩より少し速い程度に走らせて依頼人の所へと戻る。
「もう少し速く走らせられないんですか?」
「馬って思ったほど安定して乗れるものでは無いんだ。こんな状況(二人乗り)でスピードを上げたら俺はともかくシリカは跳ね出されるんじゃないかな」
「むぅ…もっと速く走ってみたいですね」
「それは自分で練習有るのみと言う事で」
「アインクラッド内で機会があるかどうか分かりませんけれどね」
まあね。
アインクラッドで馬のレンタルなんてやってるだろうか?
馬に乗りながらクラインと歩調をあわせてNPCの所まで戻る。
「ほお、今の若者は馬も乗れない者たちばかりなのに乗りこなすとは。よろしいコレを持ちなさい。きっと貴方の役に立つでしょう」
俺のストレージで収納されたのはアイテム名『バーグの紹介状』
どうやらコレがあると厩舎のある街で馬のレンタルに掛かるお金がタダになるようだ。
「それと皆様方にも少ないですがこれを」
そう言うと皆のストレージにそこそこのコルが支払われた。
「おおっ!なかなか太っ腹だな」
クラインの言葉も頷ける。
はじまりの街の一番高い武器の値段の三倍ほどのコルが入っていたのだから。
「それでは私はこれで」
そう言うとバークさんは馬を馬車に取り付けると勢い良く走りだし、直ぐに地平線のかなたへと消えていった。
先ほどのクエストで時間を使ってしまった所為もあり、ホルンカの町に着いた時には日が沈んでしまっていた。
しばらくは、クライン達と一緒にフィールドでモンスターを狩り、モンスターの情報を得るとシリカと二人でレベルを上げる、クライン達が移動するのにあわせて彼らに付いて次の町へと移動しながらレベルを上げていくことを繰り返す。
二週間が経ち、すでにはじまりの街からは遠いデルクスの町。
狩りを終えた俺はシリカと別れアイテムショップへと寄り、そろそろ顔なじみになりつつあるNPCショップの店員にドロップしてきたアイテムを売りコルに換える。
MMORPGとして活気が溢れていればNPCショップに売るよりも商人を選択したPCに売るほうがコルになるのだろうが、まだ始まったばかりで資本となるコルも無く、そもそも商人を目指しているPCがようやく動
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