第五十九話 【SAO編】
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はずだ。
つまり、タイムリミットが存在する。
何のタイムリミットか?
それは誤魔化すためのだ。
運の悪い事に、今俺の手元にはソルが存在しない。
ミッドチルダに行く事にしていた母さんに携帯端末代わりに渡してある。
口が動かない俺は詠唱使用も不可能だ。
さらに、念での防御が出来るのかも不明だ。
そんな中で賭けには出れない。
ソラ達が居れば外からのアシストも可能だろうが、今はそれも出来ない。
つまり俺が言うタイムリミットと言うのは政府関連の人が来るまでと言う事だ。
政府関連の人が来て、もし死なずにアインクラッドから脱出できたのがバレるのは面倒極まりない。
政府の人間が来るまではどうとでも誤魔化せるのだが…
遅くても一日は掛かるまい。
人間、飲まず食わずで生きていこうとすれば点滴のお世話にならなければならず、そうなると、餓死する前に所在の確認と、スタッフを送らねばならない。
うーむ…
これは詰んだか?
さて、俺は一週間フィールドへは出ずにはじまりの街内で、初期所持金を減らしながら過ごしていた。
「今日で一週間か…」
アインクラッド内と現実世界の時間経過は同期しているはずだ。
となれば…
「ナーヴギア…侮りがたし」
そう、どうやらこのナーヴギア、本当に脳派伝達のカットと言う方向ではすごいスペック誇るようだ。
試してもソラ達からの念話が一向に繋がらない。
つまり、リンカーコアへの伝達命令すらカットしていると言う事だ。
逆もまた然り。
「うわ…マジかよ」
それと、外部から助けられるのならば絶対にソラ達がすでに助けてくれているはずだ。
後で聞いた話だが、ソラ達も何もただ見ているわけではなかった。
しかし、ナーヴギアから発せられる電磁波による脳破壊と、防御フィールドの展開、どちらが速いか分からず手が出せなかったようだ。
俺も失念していたのだが、防御魔法と言えば円形や球形で展開される魔法だ。
密着状態のナーヴギアと頭を分けるように展開するにはプログラムを書き換えなければならないし、密着しているのでミリ単位でも間違うと大惨事極まりない事になるだろう。
念による防御も同様。衝撃は軽減するはずなので、俺の体を『周』で覆う事も考えたのだが、他人の念を無意識とは言え俺が受け入れるのか分からないし、受け入れられなかった時、最悪ナーヴギアが誤認して脳破壊を行なう危険性もあった。
だから彼女らは俺が自力で帰ってくるまで辛抱強く待つ事を選んだらしい。
それは囚われている俺よりも、とても苦しい事だったと思う。
アインクラッドから生還した俺に何でよりにもよって俺なのかと散々愚痴られた物だ。
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