第1章:平穏にさよなら
第6話「導きの光」
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幾つの年月を待ったか...。ようやく会えましたね。マスター...!〉
「な...に....?」
このクリスタルを見ていると、懐かしい気分になる。なんで...?
〈っ...。今は、それどころではないみたいですね。マスター!〉
「え、えっ!?」
〈...防護服の展開を。...大丈夫です。マスターならできます。〉
そう言って僕の手に収まるクリスタル。
―――分かる。
〈正式に起動するための詠唱を。〉
「え、詠唱...?」
どんなのかは分からないはずなのに、自然と頭に浮かんでくる。
―――このデバイスの使い方が。
「...“我が身は、人を導きし者”。」
―――そう、これは。このデバイスは。
「“世を照らし、護るべきものを護りし光を持つ者”。」
―――元々、僕の...僕のための。
「“悪を敷き、善と為り、絶望を消し去る力を手に”。」
―――相棒だ。
「“導きの光をこの身に―――”フュールング・リヒト、展開!!」
=out side=
優輝が光に包まれる。その光景に、アリサもすずかも、司や緋雪までもが動きを止めて見ていた。
〈マスター、防護服の形状は以前のものが残っておりますので、今はそれを使います。〉
「分かった。任せるよ。」
優輝の服装が変わる。上は鮮やかな赤を基調とした民族衣装のような服になり、下は黄色のラインのある蒼いズボンで、白銀のガントレットとタセットつけている。そして、白いマントのような外套を羽織った姿になる。
〈武器の形状は杖です。行けますか?〉
そして、手には黄色のシャフトで、先端には白いクリスタルを中心に十字架のように装飾が施されてる杖が握られていた。
「もちろん...!元々、お前が来なくても、行くつもりだった!」
優輝は剣を扱った事はないが、護身術の一環として会得した棒術が使える杖ならば、使いこなすことができた。
「...緋雪!」
「っ....!」
優輝は緋雪に大声で呼びかける。
「....来ないで...!」
「“救う”“止める”なんて大層な事は言わない...だけど、僕は兄として!お前を絶対に元の状態に導いてやる!」
そう言って優輝は緋雪に向かって駆け出す。
「...来ないでって...言ったでしょ!」
「っ!」
瞬間、緋雪から大量の魔力弾が放たれる。
「志導君危ない!...シュライン!」
〈防ぎ切れるかは分かりませんが...やってみます!〉
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