第1章:平穏にさよなら
第6話「導きの光」
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
=優輝side=
ギィイイン!!
「っ....!」
「ぁあっ!」
ギィン!
蒼き軌跡を描く白い槍と、豪快に薙ぎ払われる赤き大剣がぶつかり合う。
...均衡するのは一瞬で、すぐに槍の方が押し切られる。
「くっ...せぁっ!」
それを聖奈さんは横に体を逸らすように受け流し、そのまま後ろ回し蹴りを繰り出す。
「ぐっ...!?」
「シュライン!」
〈はい!〉
その蹴りを受けて間合いが離れ、その隙に聖奈さんが魔力弾を放つ。
「...シャル!」
〈はい。〉
ドドドォン!
けど、その魔力弾は緋雪も放った魔力弾に相殺される。
「...シッ!」
しかしその相殺による煙幕を突っ切るように聖奈さんが不意を突き、大剣の鍔の辺りに引っ掛けるように槍をぶつける。
〈Magilink break〉
パキィン!
「しまっ....!?」
その瞬間に使った魔法の効果なのか、赤い魔力の大剣が消失し、緋雪のデバイスが元の杖の形状に戻る。
「せいやぁっ!」
「くっ...!」
聖奈さんはそのまま後ろ回し蹴りで、杖を弾き飛ばす。
「はぁっ!」
そして、蹴りによって後ろを向いた体勢のまま、槍の柄で突きだす。
しかし、
「嘘っ!?」
「はぁあ....!」
柄を手で掴まれ、見た目からは想像できない力で引っ張られて体勢を崩す。その隙に、緋雪は力を込め、殴りの体勢に入る。
「っ...!シュライン!」
「ああっ!」
ギィイイイン...!
咄嗟に聖奈さんは殴られる箇所に防御魔法を展開し、ギリギリ防ぎ切る。
「このっ...!はぁっ!」
「あぐっ!?」
防御魔法で均衡している状態から、聖奈さんは宙返りの要領で上に跳び上がり、そのまま膝蹴りを緋雪にお見舞いする。
「シュライン!」
〈すみません、まさかあそこまで力が強いとは。〉
「ううん。私も予想外。」
膝蹴りから空中で回転して間合いを離してから着地した聖奈さんは、何らかの魔法でデバイスを手に寄せ、そう呟く。
「緋雪...聖奈さん...。」
そんな緊迫した戦いを、僕は落ち着かない状態で見守っていた。
「(....僕はなんのために...。)」
確かに僕は誘拐された緋雪を助けにここに来た。...でも、今頑張っているのは聖奈さんで、緋雪は暴走してしまっている。緋雪を護るために前世から心得ていた護身術とかを鍛えて来たのに、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ