1部分:第一章
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あった。
「もし」
「何じゃ、御主は」
左衛門はその娘の言葉に応えた。
「わしに何か用と見たが」
「はい、御願いがあるのです」
娘は穏やかな声を彼にかけてきた。
「御願いじゃと?」
「実は。家に帰る途中なのですが」
「うむ」
「何分夜道で危ないので」
「わしに護りを頼みたいというのか」
「そうです」
穏やかな様子をそのままに彼に告げてきたのであった。
「宜しければですが」
「ふむ、そうじゃな」
ここで彼の持ち前の好色さが出たのは事実である。しかしそれと共に武士としての責任感があった。彼はそれに従い娘の言葉を受けることにしたのである。
「よいぞ」
「宜しいのですか?」
「うむ。娘が夜道で一人で歩くというのはまりにも危険」
彼は言う。
「だからじゃ。わしでよければ護りになろうぞ」
「左様ですか。有り難うございます」
「では。乗るがいい」
娘に自分の馬の後ろに乗るように言った。
「よいな。では参ろうぞ」
「はい。それでは」
こうして彼は娘を連れて娘に案内されるまま都の外れに向かったのである。そこにあったのは質素だがそれなりの大きさがある一軒家であった。そこに案内されたのであった。
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