第四章
[8]前話
二人は結婚してだ、それから暫く経った後でまた会った。その時二人はそれぞれ赤の薔薇柄、青のアラベスク柄のカミースとシャルワール、クルターとドゥパターを着ていた。
そのうえでだ、お互いに話した。
「大きくなったわね」
「あんたもね」
「最初はまさかって思ったけれど」
「それがね」
「少しずつだけれど」
「こうなってきたわね」
二人でにこにことして自分自身のそしてお互いの腹を見ている。二人共その腹がかなり大きくなってきている。
「結婚してそして」
「お母さんになるのね」
「これから大変よね」
「子供を産んでね」
それだけでも大変だが、というのだ。
「子供を育てていって」
「何かと忙しくなるっていうわね」
「働いている時よりもね」
「そうみたいね、けれどね」
「それが女だからね」
「産んで育てていきましょう」
家事もしてというのだった、そうした話をして。
ズィーナトはあらためてだ、タハミーネに言った。
「赤ちゃん見せてね」
「あんたもね」
「それでお互いにね」
「育児のことも話していきましょう」
二人で楽しく話すのだった、カミースから出ている大きな腹をお互いに見ながら。カミースはこうした時も着やすく便利でだ。
それでだ、ズィーナトはタハミーネにこうしたことも言った。
「カミースは涼しいだけじゃなくてね」
「普段動きやすくてね」
「妊娠しても着やすくて動きやすくて」
「いい服よね」
「お肌も隠せて」
ムスリムなので肌は隠しているのだ、顔はドゥパターがヴェールの役割をして隠してくれる。
「いい服ね」
「そうね、本当にね」
「この服を着ていると」
「それだけで充分ね」
「他の服はいらなくなるわ」
「デザインもいいしね」
そのこともあってとだ、二人で話してだった。
お互いの結婚生活のことも話した、カミースを着た二人は完全に主婦となっていてそのうえで楽しくそれぞれのことを確認したのだった。
カミース 完
2015・9・28
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